団地生活に学ぶ!「身の丈に合った」心地よい暮らし方
最近、以前NHKで放送されていたドラマ『しあわせは食べて寝て待て』が話題ですね。
団地で暮らす主人公のように、地味だけど心豊かで、きちんと「食べる」生活に、多くの人が共感しているのではないでしょうか。
50代の私たちも「身の丈に合った暮らし」を見つめ直す、大きな転換期を迎えています。
収入が減ること――それは、本当に不安なことです。
💔 50代からの「減収ショック」を乗り越えるヒント
私も最近、働き方を変え、それに伴って収入が減りました。
以前のようにお金が使えない現実に、頭の中は「このままで大丈夫だろうか」「老後はどうなるんだろう」という漠然とした焦燥感でいっぱいになりました。正直、夜も眠れないほどでした。
しかし、不思議なことに、その不安は半年ほどで、じんわりと薄れていったのです。
不安が薄れた理由を考えてみると、もしかしたら失った「収入」と、手に入れた「時間」の価値が逆転したことに気づいたのが、大きいかもしれません。
以前は、時間がない代わりに「お金で便利」を買っていた生活でした。今は、減ったバイト時間の分だけ、自分や家族の生活に目を向け、手をかける時間を持てるようになりました。
少し手間をかけて、自分の暮らしの土台を整える。
その、ささやかな変化が「私は自分の生活をコントロールできている」という確かな安心感に変わっていったのです。
このブログでは、かつての私のように、収入減への不安を抱える50代女性に向けて、私が経験した「心のダウンサイジング」と、団地生活にも通じる「時間を使った心地よい暮らし方」についてお話しします。
さあ、私たちも「食べて、寝て、待つ」を大切に、不安を安心に変えるヒントを探してみませんか?

❤️🔥 不安を安心に変える!「3つの心のダウンサイジング」
私は以前「時給が良いから」という理由で、長~い出勤時間をかけて職場に通っていました。けれど、数年前そのことに疑問を感じ始めてきたので、近所に転職しました。転職は上手くいったのですが、時給は下がってしまう。ということを経験しました。時給は今も下がったままです。
「収入が減る」その原因や理由は、一人一人違うと思います。
「収入が減る」というその原因はともかくとして、もしも、あなたの収入が減ってしまった時、まず襲ってくるのは「生活が変わってしまう」という恐怖です。
「あれができなくなる」
「これが買えなくなる」
など、考えるときりがないほどです。
「この不安を感じるくらいなら、多少の困ったことがあったとしても現状のままでいたい!」
と思う方も多いかもしれません。
でも、もしも自分の身の回りにある「困ったこと」を、一つでも減らしたいと思ったときには「収入の減少」について考えてみるのもいいと思います。
「収入の減少」からくる不安は、「心」のダウンサイジングから解消していくことができるのですから・・・。
① 「減る」ことへの抵抗を手放す
私たちはつい、「収入が減る=生活レベルが下がる=不幸になる」と考えがちです。
収入が減ってしまうと今まで通りにお金を使うことはできません。
「今だって、他の人よりも節約しているのにこれ以上なにをどうやって節約していけばいいのか分からない・・・」と多くの人は感じるのではないでしょうか?
でも「収入が減る」ということは「今まで通り」を手放すチャンスです。
「ずっとしてきているあのこと、それって自分の幸せのためになっているのかな?」
「生活のパターンがちょっと変わってきて、必要なくなってきていないかな?」
「あれは、楽しかったっけ?」
今までずっとしてきたことも「続けている」というだけの安心感だったのかもしれません。よく考えたら「なくても大丈夫」という新しい自由が見つかるかもしれません。
私も以前は、収入に合わせて「買えるもの」を考えていましたが、収入が減った今は「本当に必要なもの」を考えるようになりました。この思考の切り替えこそが、心のスペースを作る第一歩です。

② 比較から降りる
もしかしたら、SNSで見るキラキラした生活や、過去の自分と今の自分を比べていませんか?
「あの人はこんな素敵な生活をしている・・・」
「前の私ならこんなことをしていないのに(しているのに)・・・」
って思っていませんか?
誰かの生活や過去の自分と比べるのをやめましょう。
特にSNSで流れてくる情報は、その人の生活の「最も輝いている」入念に編集された「ハイライト」に過ぎません。私たちは、そこに写っていない「日常の地道な努力」や「不透明な部分」を、自分の日常と比べてしまいがちです。
大切なのは「他人のスクリーンの向こう側」でも「過ぎ去った日の私」でもなく、今目の前にある、あなたの食卓や温かい布団といった「リアルな幸せ」に目を向けることです。
私にとっての「満足ライン」は、温かいご飯が食べられて、気持ちよく眠れること。このラインさえ守れれば、他者の基準は関係ありません。

③ 不安を「タスク」に分解する
漠然とした不安は、エネルギーを奪う最大の敵です。
「仕事どうしよう・・・」
「部屋の片づけどうしよう・・・」など
その中でも「老後をどうしよう・・・」という不安は、あまりにも漠然としていて心の中に居座り続けてしまいます。
この不安を解消する鍵は、「老後」を3つの具体的なカテゴリーに分類し、一つずつタスク化することです。
| 分類される不安のカテゴリー | 具体的なタスクの例 |
| A. お金・経済面 | 今月の家計簿を細かくつけて現実を把握する。 使っていないサブスクリプションを解約する。毎月、iDeCoやNISAなどに回せる金額を計算する。 |
| B. 健康・体力面 | 週に2回、散歩に行く習慣を作る。健康診断の結果を見直し、気になる項目があれば専門家に相談する。家の不用品を処分し、転倒リスクを減らす。 |
| C. 生きがい・居場所 | これから始める趣味(例:ベランダ菜園)に必要なものをリストアップする。地域の生涯学習センターのパンフレットを取り寄せてみる。友人との連絡頻度を見直す。 |
不安を感じたら、まずはそれが「A, B, C」のどのカテゴリーに属するか考えてみてください。
そして、そのカテゴリーの中から、今すぐできる小さな行動(タスク)を一つ選んで実行に移しましょう。
例えば「老後どうしよう」という不安を感じたら「来月の食費の予算を立てる」「使っていないサブスクリプションを解約する」といった、具体的なタスクに分解しましょう。
一つタスクをクリアするごとに、「自分で生活をコントロールできている」という確かな自信が生まれ、漠然とした不安の影は薄れていくはずです。

⌛ 時間という新しい豊かさを見つける
収入が減ると、誰もが真っ先に「どうやってお金を節約しよう」と考え、不安に飲み込まれがちです。しかし、ここで考え方を変えてみましょう。
収入が減った時、私たちは同時に「時間」という、お金では買えない、非常に価値のある資産を手に入れているのです。
時間こその私たちの人生そのものであり、いちばん大切なものです。
そして「時間」こそが、ダウンサイジング後の生活の質を劇的に向上させ、心の安定をもたらしてくれる最大の鍵です。

① 減収で手に入れた「時間の余裕」
以前は、忙しすぎてお金で時間を買っていました(例:コンビニの惣菜、外食、代行サービス)。コンビニのお惣菜も健康に配慮してくれたり、彩りもよく、なによりとっても美味しいしですよね?
「疲れて帰ってきてまたこれから水仕事?」
「一生懸命がんばったんだから当然だよね?」
「お金かかったけど・・・・」
しかし、バイト時間を減らしたことで、生活の中にゆったりとした「空白の時間」が生まれました。この「ゆとり」こそが、私の心の安定に大きく貢献してくれたのです。
② 毎日のルーティンに「手間」をかける贅沢
私は、毎日メニューを変えたり、手の込んだ料理を作ったりはしません。
それでも、ちょっとした献立を考え、下ごしらえをし、食卓に並べるまでには、多くの時間が必要です。以前は「面倒くさい」と感じていたこの「手間」を、今はもう少し丁寧にかけられるようになりました。
今では、時間に追われず家事をこなすことでストレスが減り、家族の食事を自分で整えているという実感は、お金には換えられない「心の満足度」を高めてくれます。

③ これから始めたい「未来への時間投資」
手に入れた時間を使って、私は新しい挑戦をしてみたいと思っています。
それは、ベランダでちょっとした野菜を育てることです。
これらは節約になるというだけでなく、「自分で種を蒔き、育てる」という、創造の喜びと待つ楽しみを教えてくれます。「お金を払って買う」ことから「自分で生み出す」ことへの切り替えは、生活そのものへの愛着を深めてくれます。

団地生活からヒントを得る!「賢いモノのダウンサイジング」
最後に、団地生活のようなシンプルで心地よい暮らしを実現するための、具体的なモノの整理術と家計の見直し術です。
💎 「贅沢」の定義を変える
高価なもの=贅沢、という定義を捨てましょう。
私が発見した新しい贅沢は、以下のような「お金がかからないけれど豊かな時間」です。
- 手間をかけてゆっくり淹れる一杯のコーヒー。
- お気に入りの食器でいただく、シンプルな自炊メニュー。
- 温かい日差しの中、整理された部屋で過ごす読書の時間。
🧹 空間をダウンサイジングする(モノの整理)
モノが多いと、それを管理する手間やエネルギーが生まれます。「いつか使うかも」「高かったから」という理由で置いてあるモノは、今のあなたの心を幸せにしていますか?
モノを減らすと、掃除や片付けの時間が減り、心にスペースが生まれます。この心のスペースこそが、新しい趣味や学びの時間に変わります。
👛 固定費の見直しこそが最大の安心材料
変動費(食費など)を切り詰めるのはストレスになりがちですが、固定費の見直しは一度やれば効果が持続します。
- 通信費:格安SIMへの切り替えは大きな効果があります。
- 保険:本当に必要な補償内容か、今の生活に合わせて見直しましょう。
この固定費の見直しは、「自分でやれることはやった」という達成感と、確実な安心感をもたらしてくれます。

最後に:不安の先に見えた景色
収入が減って半年。
もちろん、今でも節約に気を付けていますが、以前ほど不安は感じなくなりました。
なぜ不安が薄れたのか?
それはきっと、「持っている」安心感から「自分で生活をコントロールできている」安心感に変わったからです。身の丈を知り、本当に大切な「時間」に投資することで、生活はシンプルになり、かえって豊かになったように感じています。
私たちも「食べて、寝て、待て」の主人公のように、今の生活を楽しみ、自分の足元を見つめることから始めませんか?
不安は、立ち止まって考えるためのサインです。
そのサインを活かして、あなたらしい心地よい暮らし方を見つけてください。