まだ吹く風が冷たく寒い2月から3月の海岸へ行くと、いろいろな海藻が芽吹き始めています。
岩の上にはアオサが岩を緑色に染めています。隣の石の上にはハバノリが伸びてきています。
海藻が芽吹き始めるとそれを食べる小さな貝や生き物たちが活動を初め、海岸は賑やかになります。
今回はサガミミノウミウシというウミウシをご紹介します。背中にピンクのひもをたくさんつけているのが特徴のウミウシです。
サガミミノウミウシ
動物界
軟体動物門
腹足綱
裸鰓類
ミノウミウシ亜目
クセニアミノウミウシ科
サガミミノウミウシの特徴と生態
サガミミノウミウシは、相模湾で最初に発見されたことから名付けられた、ミノウミウシの中でも特に愛らしい姿で人気の高いウミウシです。
ウミウシとは?
ウミウシは、約3000種類以上存在する軟体動物の一種です。海に棲む巻貝の仲間ですが、貝殻を失い、代わりに背中に外套膜と呼ばれる膜を持ち、その中に美しい模様や突起を持つのが特徴です。
サガミミノウミウシの特徴
- 体長 : 最大4cm
- 体色 : ピンク、オレンジ、白など鮮やか
- 背中の突起 : ミノのようにたくさんの突起状の鰓がついています。ここで呼吸をします。
- 生息地 : 日本の太平洋岸、インド洋、西太平洋
- 食性 : 肉食、イソバナやウミトサカなどを食べる
サガミミノウシの魅力
- 愛らしい外見
ピンクやオレンジなどの鮮やかな体色と、背中のピンクのミノ状突起がなんとも風変わりで愛らしいです。 - ユニークな生態
イソギンチャクなどの刺胞動物の刺胞(とげを持つ細胞)食べて体に取り込み、自分の体を強化して捕食者から身を守ります。 - 多様な色彩
ミノウミウシにはたくさんの種類がいます。地域や個体によって体色が異なり、ピンク、オレンジ、白、黄色など様々なバリエーションを楽しめます。
豆知識
- サガミミノウミウシは、英語で "Sagami sea slug" や "Pink-tipped sea slug" と呼ばれます。
- サガミミノウミウシの背中の鰓は長くてよくカールしている。
サガミミノウシを観察するには
サガミミノウシは、日本の太平洋岸、インド洋、西太平洋の潮間帯から水深20mまでの浅い海で見ることができます。磯遊びやダイビングなどで、ぜひ探してみてください。
サガミミノウシを見つけた時の注意点
- サガミミノウミウシは、触ると刺激物を出して防御することがあります。触らないように観察しましょう。
- サガミミノウミウシは、環境の変化に敏感な生き物です。生息地を大切に守りましょう。
サガミミノウシは美しい色と愛らしい姿を持つちいさな生き物です。その生態や魅力を知ることで、海をより身近に感じることができます。
小指ほどの大きさで海藻の陰に隠れていることが多いので、探すのが大変ですが見つけたときはとてもうれしくなります。
せひみなさんも、サガミミノウミウシを探してみてください。きっともっと海を知りたくなるでしょう。
参考文献
ウミウシを観察しよう 千葉県立中央博物館分館 海の博物館
磯の生き物図鑑 トンボ出版
日本動物大百科 平凡社
ウミウシ - Wikipedia
日本産サガミミノウミウシの解剖学的研究 (jst.go.jp)
バリ島ダイビング・MAX DIVE バリ (xn--eckya9b7cr9ksc.com)