となりの生き物

とても強い草 ホトケノザ

ホトケノザ

畑や道端などに咲くホトケノザ
ホトケノザは根っこがつながっているので群れて咲きます。
ホトケノザがたくさん咲き誇っている様子は春の訪れを感じさせてくれますし、真冬でも街路樹の足元に元気に咲いたりしています。

ホトケノザ

植物界
顕花植物門
被子植物亜門
双子葉植物綱
シソ科
オドリコソウ属

ホトケノザの特徴と生態

畑や道端で普通に咲く越年草です。
茎は根からすぐ上の部分で分岐して、高さ10~30㎝くらいになります。
葉は1~2㎝の大きさで花の咲く部分の葉は柄がありません。

花は4月から6月にかけて数個の花をつけます。
花の根本にある「がく」は5mmほどの大きさで5個に裂け、雄花の「やく」は4本で2本は長く伸びます。

花は筒状で2㎝ほどの大きさのものと、筒が伸びずに小さい丸い閉鎖花となって自家受粉する花の2種類の花をつけます。

種には蟻が好きなエライオソームが付いているので、蟻が巣まで運びホトケノザの種の分散を助けます。

日本だけではなくアジア大陸、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカでも咲くことが出来る強い植物です。

ホトケノザにはイリドイド配糖体という仲間の化合物が含まれています。
イリトイド配糖体は特別な化合物ではなく多くの植物に含まれているのが分かっています。
例えば、オオバコ、クチナシ、センブリ、オリーブなどのいろいろな植物にも含まれていて、ある種の薬効があります。
もしかしたらホトケノザを多量に摂取すれば毒かもしれませんが、少しなら薬としての効果があるのかもしれません。

外国ではホトケノザの若い葉は食用にされ、ゆでで食べたり、サラダの香草として加えたりする人たちもいます。

中国の漢方の世界では「宝蓋草」という名でホトケノザを使います。宝蓋草は胃腸の弱り、下痢、高血圧、節々の痛みなどに効果があるといわれています。

ホトケノザはシソ科の植物なので少しだけ香りがあるのでハーブとして使えますし、繁殖力の強い植物なのでその強さから薬草として効果があるのかもしれません。

参考文献

現職日本植物図鑑 保育者
明日出会える雑草の花 山と渓谷社 高橋修
小学館の図鑑NEO 植物 
薬用植物園かわら版  (nagoya-cu.ac.jp)
雑草の中の雑草ってあるんですか? それと、ホトケノザって食べられるんですか? | みんなのひろば | 日本植物生理学会 (jspp.org)
イリドイド - Wikipedia

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