いつもお手軽な価格でスーパーに置いてあるニンジン
食卓を華やかにしてくれるのでうれしい野菜ですよね?
ニンジンってよく見ると、とってもかわいらしい色をしています。
普通、植物の根っこは大抵白い色をしていますが、ニンジンはきれいなニンジン色です。
土の中にいても太陽の恵みを受けたオレンジ色には、実は栄養がたくさんつまっています。
あなたも、自然の贈り物の力を借りて、お肌を内側から美しく健康にしましょう!
ここでは、ニンジンの栄養とその効果、効率の良い食べ合わせ、そして上手な選び方を徹底解説します!
ニンジンの栄養
一年中手に入れることができて、保存も効くニンジンは毎日の献立にも取り入れやすい野菜です。
その、ニンジンには、β-カロチンが豊富に含まれていて、実は美容効果がとても高い食材なのです。
β-カロチンの含まれている野菜はいくつかありますが、その中でもニンジンは他の野菜と比べてβ-カロチンの量が多く含まれています。
グラフを見ると、β‐カロチンの量はシソの方が多いですが、シソよりニンジンの方がたくさん食べることができるので、β-カロチンを効率的に取るならニンジンはお勧めです。
β-カロテンの多い食品と、食品のβ-カロテンの含有量一覧表 (eiyoukeisan.com)
β-カロチンがシミを改善
β-カロチンは私たちの体でどんな働きをしてくれているのでしょうか?
β-カロチンは、私たちの体内でビタミンAに変換され、肌の健康維持に重要な役割を果たします。特に、肌のシミでお悩みの方にとっては、注目すべき栄養素です。
β-カロチンは、私たちの体ので次のような働きをしてくれます。
- 抗酸化作用
β‐カロチンは強力な抗酸化作用を持ち、紫外線などによって発生する活性酸素を消去します。活性酸素は、肌の細胞を傷つけ、シミやそばかすの原因となるため、β-カロチンによる保護は、これらの肌トラブルの予防に繋がります。 - メラニン生成の抑制
β‐カロチンはメラニンの生成を抑制する働きがあると考えられています。
メラニンは、肌の色素で、紫外線から肌を守ります。
けれど、強い日に長い間当たったり、加齢などで過剰なメラニンが生成されると、シミやそばかすの原因となるので、その働きを抑制するβ‐カロチンの力は見逃せません。 - 肌のターンオーバー促進
β‐カロチンは、肌のターンオーバーを促進する働きがあります。
ターンオーバーがスムーズに行われることで、古い角質が剥がれ落ち、新しい肌細胞が生まれ変わります。これにより、肌のキメが整い、シミやくすみが改善される可能性があります。
もともと、β-カロチンは野菜を紫外線から守るための物質です。
ニンジンを食べることでその力を拝借することができるのは、うれしいですね!
β-カロチンがコラーゲンの生成を助ける
コラーゲンは、私たちの体を構成するタンパク質の一種です。
コラーゲンは、肌に弾力やハリを与え、潤いを保つために欠かせない成分です。
肌以外にも骨や関節、血管など、体をつくる原料がコラーゲンです。
ニンジンはそんなコラーゲンの生成を、助けることが分かってきて最近注目を浴びています。
それらの研究では、いくつかの可能性が考えられています。
ニンジンがコラーゲン生成に良いとされる理由
- β-カロテン
ニンジンに豊富に含まれるβ-カロチンは、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、皮膚の細胞の再生を促し、コラーゲンの合成に関わる酵素の働きをサポートする働きがあると考えられています。 - 抗酸化作用
β-カロテンをはじめ、ニンジンには様々な抗酸化物質が含まれています。これらの物質は、コラーゲンを分解する酵素の働きを抑制し、コラーゲンを保護する効果が期待できます。 - その他栄養素
ニンジンには、ビタミンCやビタミンEなど、コラーゲンの生成に重要な他の栄養素も含まれています。
具体的な効果
- 肌のハリ・弾力アップ
コラーゲンは、肌のハリや弾力を保つために重要な成分です。ニンジンを摂取することで、コラーゲンの生成が促進され、肌のハリや弾力がアップする効果が期待できます。 - シワの改善
コラーゲンが減少すると、肌にシワができやすくなります。ニンジンを摂取することで、コラーゲンの生成を促進し、シワの改善に役立つ可能性があります。 - 乾燥肌の改善
コラーゲンは、肌の水分を保持する働きがあります。ニンジンを摂取することで、コラーゲンの生成が促進され、乾燥肌の改善に役立つ可能性があります。
ニンジンは、豊富に含まれるβ-カロチンの力で、コラーゲンの生成を促進する可能性があります。
もちろん、人によって体質は異なるため個人差があります。
ぜひ、ご自身の体質や状態に合わせて、適切な方法で毎日の食事にニンジンを取り入れてみてください。
ビタミンAと β- カロテンによる疾病の予防と治療(jst.go.jp)
天然カロチノイドの分析と構造研究 (jst.go.jp)
厚生労働省ビタミン (mhlw.go.jp)
ニンジンを取りすぎるとデメリットも
逆にニンジンをたくさん食べると、カロチノイドの取りすぎで、肌がオレンジ色になることがあります。
これは、ニンジンに含まれるカロチノイドが皮膚に沈着することで起こる現象で、「カロテン血症」と呼ばれています。
カロテン血症が起こるメカニズム
- カロチノイドの摂取
ニンジンをはじめ、トマト、パプリカなど、カロチノイドを多く含む食品を過剰に摂取すると、体内にカロチノイドが蓄積されます。 - 皮膚への沈着
蓄積されたカロチノイドの一部は、皮膚の深層部に沈着します。 - 肌色の変化
カロチノイドは黄色やオレンジ色をしているため、皮膚に沈着すると、肌が黄色がかったり、オレンジ色になったりするのです。
カロテン血症は、病気ではなく、あくまで一時的なもので、通常は摂取量を減らすことで、数週間から数ヶ月で元に戻ります。
ニンジンをたくさん食べると、肌がオレンジ色になる可能性はありますが、健康に害はありません。
何事も取りすぎは体に良くありません。
バランスの取れた食事を心がけ、もし気になる場合は、医師に相談するようにしてください。
ニンジンのβ-カロチンの力をアップさせる食べ方
キャベツやブロッコリーと一緒に食べる
β-カロチンとビタミンCは、それぞれ抗酸化作用を持っています。
これら2つを一緒に取れば抗酸化作用をアップさせられるだけではなく、ビタミンCには、β-カロチンの体への吸収を促進する働きがあるため、より多くの抗酸化物質を効率的に摂取できます。
また、ニンジンはβ-カロチンだけでなく、食物繊維も豊富です。
一方、キャベツにはビタミンCに加えて、ビタミンKや葉酸などの栄養素も含まれています。
これらを組み合わせることで、よりバランスの取れた食事になります。
吸収率をあげるために油と一緒に摂る
ニンジンのβ-カロチンは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取することで、体への吸収率が格段にアップします。
どうして油と一緒に摂ると良いの?
- β-カロチンの吸収促進
油とβ-カロテンが一緒に腸に届くと、β-カロテンが油に溶け込みやすくなり、腸から体内に吸収されやすくなります。 - 消化の促進
油は、β-カロチンだけでなく、他の脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収も促進します。また、消化を助け、栄養素の吸収を効率的に行うことができます。
どのような油がおすすめ?
- オリーブオイル
オリーブオイルは、オレイン酸が豊富で、β-カロチンの吸収を促進するだけでなく、健康にも良い油です。 - ごま油
ごま油は、リノール酸が豊富で、β-カロチンの吸収を促進するだけでなく、風味も良く、料理の味を引き立てます。 - 亜麻仁油
亜麻仁油は、α-リノレン酸が豊富で、β-カロチンの吸収を促進するだけでなく、抗酸化作用も高い油です。
β-カロチンは油と一緒に摂ることで吸収率がアップするのでお勧めです。
でも、油はカロリーが高いので、摂りすぎには注意しましてください。
調理のコツは短時間で仕上げると β-カロチンが壊れてしまう可能性があるので、短時間で炒めるのが理想です。
様々な種類の油があるので、料理に合わせて使い分けてみてくださいね。
美肌効果を高めるため鶏肉と一緒に摂る
ニンジンはまた、鶏肉と食べるのは、美肌効果には特におすすめです。
ニンジンと鶏肉の組み合わせの美肌効果について
- β-カロチンとコラーゲンの生成
ニンジンに含まれるβ-カロチンは、体内でビタミンAに変換され、コラーゲンの生成を助けます。
一方、鶏肉に含まれる良質なタンパク質は、コラーゲンの材料となるアミノ酸を供給します。この両者の組み合わせは、より効率的にコラーゲンを生成し、肌の弾力やハリを高める効果が期待できます。 - 抗酸化作用の強化
ニンジンと鶏肉には、それぞれ抗酸化作用のある成分が含まれています。
ニンジンのβ-カロチンや、鶏肉に含まれるビタミンEなどの抗酸化物質は、活性酸素から肌を守り、肌の老化を遅らせる効果が期待できます。 - 栄養バランスの改善
ニンジンにはビタミンA、C、食物繊維などが、鶏肉にはタンパク質、ビタミンB群などが豊富に含まれています。これらの栄養素は、肌の健康維持にだけではなく健康にも欠かせないものです。
ニンジンと鶏肉の組み合わせは、美肌効果が期待できる食材の組み合わせの一つです。
もちろん、美肌のためには、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動も大切です。
ニンジンを食べるだけで、必ずしもコラーゲンが生成されるわけではありません。
効果を実感するためには、継続的な食生活の改善や、適切なスキンケアも心がけるようにしてください。
ニンジン選びのポイント
美味しいニンジンを選ぶには、いくつかのポイントがあります。ぜひ参考にしてみてください。
- 色
オレンジ色が濃く、鮮やかなものの方がカロチンが多く含まれていて栄養的に優れています。 - ハリ
表面がつやつやしていて、でこぼこしていないもの、ハリとつやのあるものを選びましょう。 - 形
先が丸く、全体に均一な太さのものが良いでしょう。品種によっては先が尖っているものもありますが、全体の形が揃っているものを選びましょう。 - 傷
傷があると傷みやすく、ひび割れは育ちすぎ、首の部分が緑色になっているのは土から上に出て日焼けしたもので味が落ちるのでやめましょう。 - 葉
葉付きのものは、葉が鮮やかで萎れていないものが新鮮な証拠です。 - 芯
芯が細めを選びましょう。芯は硬くて甘みもありません。
美味しいニンジンを選ぶ際は、色、ハリ、形、傷、芯などを総合的に判断しましょう。これらのポイントを参考に、ぜひお店でぴったりのニンジンを見つけてみてください。
美味しく調理して、楽しい食卓にしてくださいね!
参考文献
新野菜の便利帳 健康編 名取貴光 高橋書店
野菜学入門 相馬暁
ニンジン - Wikipedia