みなさん、大根は好きですか?
大根はピーマンやニンジンのように、絶対食べられない・・・・
という人は少ない野菜です。
大根は知っているけど、白いので栄養もなさそうだし、重くて使いにくいな・・・
と思っている方も多いかもしれませんが、実は大根は栄養価の高い野菜の一つです。一度にたくさん食べられるのも良いですね。
ここではそんな、煮ても焼いても、生で食べてもおいしい大根の秘密を知って、美容と健康に役立てましょう。
大根の栄養について
大根は日本人に昔から親しまれ、また様々な料理に活用できて、一年中手に入りやすいとても便利な野菜です。
冬野菜としてのイメージが強い大根ですが、実は秋と冬は本州で、春から夏にかけては北海道と季節ごとに産地を移動させて年間を通して栽培されています。
大根は種まきから収穫まで2~3か月と比較的短い期間で育てられることや、病害虫に強い品種が多いこと、また食物繊維や栄養価も高いことが評価され世界中で食べられています。
では、気になる大根の栄養を詳しく見ていきましょう。
ビタミンC
大根は、ビタミンCが豊富な野菜として知られています。
100gあたり約16mgのビタミンCを含み、これは1日の推奨摂取量の約20%に相当します。ビタミンCをとることは次のようなたくさんのメリットがあります。
- 免疫力向上
ビタミンCは免疫細胞の機能を強化し、感染症に対する抵抗力を高めるのに役立ちます。また、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかった場合、症状を軽減し、回復を早める効果も期待できます。 - 抗酸化作用
ビタミンCは、体内の活性酸素を除去する抗酸化作用を持っています。活性酸素は、細胞を傷つけ、老化やがん、心臓病などの慢性疾患を引き起こす可能性があります。ビタミンCを摂取することで、これらの疾患のリスクを減らすことができます。 - コラーゲン生成
ビタミンCは、コラーゲンの生成に不可欠な栄養素です。コラーゲンは、皮膚、軟骨、腱などの結合組織を構成するタンパク質です。ビタミンCを十分に摂取することで、肌のハリや弾力性を保ち、関節の痛みを軽減することができます。 - 鉄分の吸収促進
ビタミンCは、鉄分の吸収を促進する効果があります。鉄分は、赤血球中のヘモグロビンに含まれるミネラルで、酸素を体中に運ぶ役割を果たします。鉄分が不足すると、貧血などの症状が現れます。ビタミンCを一緒に摂取することで、鉄分の吸収を高め、貧血予防に役立ちます。 - 美肌効果
ビタミンCは、メラニンの生成を抑制する効果があります。メラニンは、紫外線の刺激によって生成される色素で、シミやそばかすの原因となります。ビタミンCを摂取することで、シミやそばかすを防ぎ、美肌効果が期待できます。
大根のビタミンCを効率的に摂取する方法
大根のビタミンCは、水溶性ビタミンなので、加熱や水にさらすと損失しやすいという性質があります。ビタミンCを効率的に摂取するためには、以下の点に注意しましょう。
- 生で食べる:大根を生のままサラダや漬物にして食べると、ビタミンCを効率的に摂取することができます。
- 加熱する場合は短時間で:どうしても加熱する場合は、短時間で済ませましょう。電子レンジ調理や蒸し調理がおすすめです。
- 茹で汁も一緒に食べる:大根を茹でた場合は、茹で汁も一緒に食べましょう。茹で汁には、水溶性のビタミンCが溶け出ています。
葉酸
大根は、葉酸も多く含みます。
葉酸は、ビタミンB群の一種であり、DNA合成や細胞分裂に関わる重要な栄養素です。特に、妊娠中や授乳中の女性、高齢者にとって重要な栄養素です。葉酸は次のような効果が期待できます。
- 貧血予防
葉酸は、赤血球の形成を助けるため、貧血予防に効果があります。高齢者は貧血になりやすい傾向があるため、葉酸を積極的に摂取することが重要です。 - 認知機能の維持
葉酸は、認知機能の維持に役立つことが分かっています。高齢者になると、認知機能が低下するリスクが高くなりますが、葉酸を摂取することで、このリスクを軽減できる可能性があります。 - うつ病予防
葉酸は、うつ病の予防に効果があることが示唆されています。高齢者は、うつ病を発症しやすい傾向があるため、葉酸を摂取することで、うつ病のリスクを軽減できる可能性があります。 - 骨粗鬆症予防
葉酸は、骨の健康を維持するのに役立つことが分かっています。高齢者は、骨粗鬆症になりやすい傾向があるため、葉酸を摂取することで、骨粗鬆症のリスクを軽減できる可能性があります。 - 動脈硬化予防
葉酸は、血管を健康に保ち、動脈硬化を防ぐのに役立つことが分かっています。高齢者は、動脈硬化になりやすい傾向があるため、葉酸を摂取することで、動脈硬化のリスクを軽減できる可能性があります。
大根の葉からも葉酸を摂取できます
大根の葉には、大根の根よりも多くの葉酸が含まれています。そのため、大根の葉も積極的に摂取することをおすすめです。大根の葉は、味噌汁やおひたし、炒め物などに利用できます。
注意点
大根は、生で食べると葉酸を多く摂取できますが、加熱してもある程度の葉酸は残ります。また、大根の葉は、アクが強いので、下茹ですしてから調理することをおすすめします。
高齢者の方へ
高齢者は、胃腸が弱くなっている場合があるため、生の大根を食べるとお腹を壊してしまうことがあります。そのような場合は、加熱してから食べるようにしましょう。また、大根の葉は、アクが強いので、しっかりアク抜きしてから調理すると良いでしょう。
カリウム
大根はカリウムも豊富に含んでいます。
大根100gあたりには、約230mgのカリウムが含まれています。これは、1日の推奨摂取量の約10%に相当します。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があるため高血圧予防に効果的です。
特に高齢者は、加齢とともに血圧が高くなりやすいため、積極的にカリウムを摂取することが重要です。さらに、カリウムには以下のような3つの嬉しい効果が期待できます。
- むくみ解消
カリウムは、体内の余分な水分を排出する働きもあるため、むくみの解消にも効果的です。高齢者は、足のむくみが原因で転倒のリスクが高くなるため、むくみ対策は特に重要です。 - 骨粗鬆症予防
カリウムは、カルシウムの吸収を促進する働きがあるため、骨粗鬆症予防にも効果的です。高齢者は、骨密度が低下しやすいため、骨粗鬆症予防は重要です。 - 便秘解消
カリウムは、腸の動きを活発にする働きがあるため、便秘解消にも効果的です。高齢者は、便秘になりやすいため、便秘解消は重要です。
大根は、生で食べるだけでなく、煮物、汁物、漬物など、様々な料理に活用できます。カリウムを効率的に摂取したい場合は、生で食べるのがおすすめです。また、皮ごと食べることで、カリウムの摂取量を増やすことができます。
高齢者の場合、大根を丸ごと食べるのは難しい場合もあるため、大根おろしにして食べるのもおすすめです。大根おろしは、消化吸収が良く、カリウムも摂取しやすいので、おつけものにしたり、キムチにしたり、みじん切りにして昆布と混ぜてご飯にかけるレシピもお勧めです。
食物繊維
大根は食物繊維を豊富に含んでいることも、大根の大きなメリットの一つです。
大根100gあたりに含まれる食物繊維量は約1.4gと、野菜の中では比較的多い方ではありません。しかし、大根には以下のような利点があり、食物繊維を効率的に摂取するのに適した食材と言えます。
- 皮ごと食べられる
大根の皮には、可食部よりも食物繊維が豊富に含まれています。皮をむかずに調理することで、より多くの食物繊維を摂取することができます。 - 調理方法の幅広さ
大根は、生でサラダや漬物、煮物、鍋物など、様々な調理方法で食べることができます。自分の好みに合わせて、無理なく食物繊維を摂取しやすい調理方法を選ぶことができます。 - 低カロリー
大根は95%以上が水分でできており、100gあたり約17kcalと非常に低カロリーです。ダイエット中の方でも、安心してたくさん食べることができます。
食物繊維を摂取することは、次のようなたくさんのメリットがあります。
- 便秘解消
食物繊維は腸内環境を整え、腸の動きを活発にすることで、便秘解消に効果が期待できます。 - 満腹感を得られる
食物繊維は胃の中で水分を吸収して膨らむため、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐことができます。 - 血糖値の上昇抑制
食物繊維は糖の吸収を穏やかにすることで、食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。 - コレステロール値の低下
食物繊維は余分なコレステロールを体外に排出する効果が期待できます。 - 大腸がん予防
食物繊維は腸内環境を整え、発がん性物質の排出を促進することで、大腸がん予防に効果が期待できます。
大根の持つうれしい酵素
大根には私たちの役に立つ消化酵素をもつことが知られています。
消化酵素とは、私たちが食べた食物を、体内に吸収しやすいように分解するタンパク質の一種です。大根の持つ主な消化酵素は3つあります。
1. アミラーゼ(ジアスターゼ)
- でんぷんを麦芽糖に分解する酵素です。
- 胃腸の働きを助け、消化不良を解消したり、胃酸をコントロールして胃もたれや胸焼けを防いだりします。
- 市販の消化整腸剤にも含まれています。
- 大根おろしにして食べると効果的です。
2. リパーゼ
- 脂肪を分解する酵素です。
- 脂っこい食事を消化吸収するのを助けます。
- 大根の葉に多く含まれています。
これらの消化酵素は加熱に弱いので、生で食べるのが効果的です。
3. オキシダーゼ
- 大根には、解毒作用のあるオキシダーゼという酵素も含まれています。
- オキシダーゼは、がん予防に有効な物質とされています。
大根は消化を助けるだけでなく、私たちの健康を保つ効果を持つ食材なのです。
イソチオシアネート
大根のイソチオシアネートは、大根をすりおろしたり切ったりしたときに細胞が破壊されることで生成される、あの辛み成分のことです。辛くて苦手な方も多いかもしれませんが、あの味には3つのうれしい効果があります。
- 抗酸化作用
イソチオシアネートには、老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は、シミやシワの原因となるだけでなく、生活習慣病やガンなどの病気の発症リスクを高めることも知られています。イソチオシアネートの抗酸化作用は、これらの病気の予防に効果が期待できます。 - 殺菌作用
イソチオシアネートには、抗菌作用や抗菌作用があります。食中毒の原因となる菌や、風邪やインフルエンザなどのウイルスを抑制する効果が期待できます。また、虫歯や口臭の原因となる菌の繁殖を抑える効果も期待できます。 - 解毒作用
イソチオシアネートには、肝臓の解毒作用を活性化させて、発がん性物質などの毒性を抑制する働きがあります。ガン予防の効果が期待できます。
イソチオシアネートは、大根の辛味のもととなる成分でもあるため、辛味の強い大根の方が多く含まれています。また、若い大根の方が、成長するにつれて減少していきます。
イソチオシアネートの働きを効果的に得るためには、大根をすりおろしたり切ったりして食べるのがおすすめです。また、加熱するとイソチオシアネートが壊れてしまうため、食べる直前に調理するのがポイントです。
大根の葉の栄養
大根の葉は、捨ててしまうことが多いですが、あの緑の葉は根よりも栄養豊富な緑黄色野菜です。
つまり、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、カリウム、カルシウム、食物繊維など、様々な栄養素が豊富に含まれています。
- βカロテン
体内でビタミンAに変換され、美肌効果や免疫力向上効果が期待できます。ほうれん草に匹敵するほどの量を含んでいます。 - ビタミンC
美肌効果や抗酸化作用、免疫力向上効果があります。根に比べて約3~4倍も多く含まれています。 - ビタミンK
骨や歯の形成を助け、血液凝固作用もあります。根にはほとんど含まれておらず、葉に特化した栄養素です。 - 葉酸
DNA合成に関与し、貧血予防や胎児の成長に重要です。 - カリウム
体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があります。 - カルシウム
骨や歯の形成を助け、筋肉の収縮にも関与します。根に比べて約11倍も多く含まれています。 - 食物繊維
腸内環境を整え、便秘解消やコレステロール値低下効果があります。
大根の葉は、栄養豊富な食材なので、ぜひ捨てずに様々な料理に活用してください。
大根の選び方
- 太すぎず、細すぎないものを選ぶ。
- 葉がピンと張っていて、みずみずしいものを選ぶ。
- 根の先端が細いものを選ぶ。
- 重たいものを選ぶ。
大根の保存方法
- 冷蔵庫の野菜室で保存する。
- 新聞紙に包んで保存する。
- 立てて保存する。
おすすめのレシピ
大根とツナのサラダ
大根とツナをマヨネーズで和えた簡単なサラダです。食物繊維だけでなく、タンパク質も摂取することができます。
大根の漬物
大根を塩や昆布で漬けた漬物です。食物繊維が豊富で、ご飯のお供にも最適です。
大根の煮物
大根をだし汁で煮込んだ煮物です。冬によく食べられますが、食物繊維を効率的に摂取したい方におすすめの調理方法です。
大根おろし
大根をすりおろしたおろしです。薬味としてだけでなく、鍋やうどんのつゆに溶かして食べても美味しく、食物繊維を摂取することができます。
大根は、栄養価だけでなく、様々な料理に活用できる万能野菜です。ぜひ、色々な調理方法で楽しんでください。
まとめ
大根の栄養について解説しました。
大根は一年中手に入りやすく、ビタミンC、葉酸、カリウム、食物繊維が豊富で、一度に多くの量を食べられるため健康を維持するためには毎日の食事に取り入れやすい野菜です。
ビタミンは加熱すると壊れてしまうので、サラダや大根おろしなどの生でも食べられるレシピの多いのものもうれしいです。
大根の葉にも栄養が豊富なので、さっとゆでて炒めてふりかけにしたり、あえたりして捨てないで食べると良いでしょう。
大根は切りやすいのも調理しやすくていいですよね!
以外にも栄養豊富な大根をぜひ毎日の食事でとって、健康な体をつくりましょう!
参考文献
サカタのタネ 家庭菜園・園芸情報サイト 園芸通信 (sakata-tsushin.com)
だいこん 大根 産地 野菜 栄養 機能性 調理 (alic.go.jp)
ダイコン - Wikipedia