となりの生き物

海の錆 うみさび

うみさび

うみさび

みなさんは海岸でピンク色のペンキがついている石を見たことはありますか?

よくみるとピンク色の濃さが違っているし、黄色の所があったりしてペンキとはちょっと違うことが分かります。
これはペンキではなく、岩に貼りついたサンゴモと呼ばれる海藻の仲間です。海藻とは言ってもワカメや昆布とは違って固い体を持った海藻です。海に漂う海藻とはまったく違った体つきが面白いです。

うみさびの特徴と生態

植物界
紅藻門
紅藻綱
サンゴモ目
ウミサビ科

うみさびは、サンゴモという仲間の海藻の一つです。
サンゴモという名の通りサンゴのように体が硬いので「サンゴモ」と名付けられました。サンゴモの「モ」は海藻のことです。

サンゴモの仲間の多くはサンゴのように枝をたくさん伸ばした小さな木のような形をしています。この「うみさび」はサンゴモのなかでものっぺりとした膜上で、枝を持たず高さがほとんどありません。

体色はピンク色から赤紫色で、触るとつるりとしています。体に貝殻の成分でもある「炭酸カルシウム」を多量に含んでおり、その固い体をいかして岩や砂に固着して生育します。そのため、石灰藻とも呼ばれています。日本では北海道南部から九州にかけての沿岸にみられます。

サンゴモの仲間は海藻ですが、体内の約9割が炭酸カルシウムで構成されています。彼らはその炭酸カルシウムをつくるために海水中の二酸化炭素を利用しています。この二酸化炭素の吸収する能力が地球温暖化の緩和に効果があると期待されている海藻です。

うみさびは石をピンク色に染めるので、うみさびが見られるところはとてもきれいです。

うみさびのついた石

参考文献

日本の海藻 平凡社
日本産サンゴモ類の種類と形態(海生研研究報告第1号) (kaiseiken.or.jp)

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