皆さんコケは好きですか?
コケといったらモコモコしていて、触るとふわっとした優しい感じを思い浮かべる方も多いと思いますが、そのコケの代名詞のようなコケが、この「ホソウリゴケ」です。
北海道から沖縄まで日本全国生えていて、寒さにも暑さにも乾燥にも強いとても身近なコケです。地面だけではなく石畳やアスファルト、コンクリートの間にモコっとした群落をつくっています。
ホソウリゴケ
植物界
蘚苔植物門
蘚綱
ホンマゴケ目
ハリガネゴケ科
ウリゴケ属
ホソウリゴケの特徴と生態
全国に広く分布するコケ。
ギンゴケなどの他のコケや植物のツメクサと一緒に生えていることも多いです。
一つの葉の大きさはわずか0.5ミリほど、長さ1センチほどの茎が地下茎で一つになって一つの塊になっています。
ホソウリゴケの小さな葉をよく見ると、真ん中に1本線が入っていてちょっと尖っているのが見えます。葉のふちにはギザギザはありません。雄株と雌株に分かれていますが雌株が成長して胞子体をつくるのはめずらしく、なかなか見ることが出来ません。
ホソウリゴケは、その丈夫さから、盆栽の下草や、苔テラリウムの材料としてよく利用されます。その独特の風合いから、インテリアとして人気があります。
ホソウリゴケの楽しみ方
モコモコとしたホソウリゴケを、どのように楽しむのか分からない・・・という方もいらっしゃるかと思います。
そっと静かにそばにいてくれる、そんなホソウリゴケの楽しみ方はたくさんあります!
その魅力を最大限に引き出すための様々な楽しみ方をいくつかご紹介します。
観賞を楽しむ
公園や広場などで、モコモコの苔を見つけたら、ぜひ近寄ってみてください。
透き通るような、一枚一枚の葉が見えてきたら、その美しさに驚くはずです!
- ビロードのような質感:
ホソウリゴケの最大の魅力は、その滑らかで美しいビロードのような質感をもっています。- 拡大鏡:ルーペや顕微鏡を使って、その繊細な構造を観察すると、新たな発見があるかもしれません。
- 光とのコラボ:陽の光を浴びた時の緑色の輝きや、影が作る模様もまた美しいものです。
- 四季折々の変化
緑色の変化だけでなく、季節によって現れるコケの胞子や新しい芽出しなど、一年を通して様々な表情を見せてくれます。- スマホで写真撮影:同じ場所を季節ごとに撮影し、その変化を記録するのもおすすめです。
苔を飾る
- 個性的な盆栽鉢
ホソウリゴケは、古くなった瓦や石、木片など、様々な素材の鉢との相性が抜群です。- 組み合わせ:小さなフィギュアやミニチュアを置くことで、より個性的な苔盆栽に仕上げることができます。
- 苔の種類:ホソウリゴケだけでなく、他の種類の苔と組み合わせることで、より奥行きのある作品を作ることができます。
- 苔テラリウム
瓶や水槽の中にホソウリゴケを植え込み、小さな世界を作り出すことができます。
また、小さなフィギュアやミニチュアの植物などを加えて、自分だけの世界観を作り出すのも楽しいです。 - 苔玉
ホソウリゴケを土玉に植え込み、可愛らしい苔玉を作ることもできます。
つくった盆栽やテラリウム、苔玉は、玄関やリビングなど、様々な場所に飾ることができます。
他にもこんな活動はいかがですか?
- 苔観察会に参加する
他の苔好きの人々と交流し、新たな発見をすることができます。
きたやつネット (kitayatsu.net) 長野県の北八ヶ岳でコケの観察会を開催しています。本格的に観察ができます。
苔むす会 - kokemusukai (jimdofree.com) 愛知県や東海地方を中心とした会 身近なコケを観察できます。
東京都 高尾ビジターセンター (ces-net.jp) コケの種類が豊富な高尾山で観察会ができます。 - 苔の本を読む
苔の種類や育て方、歴史など、様々な知識を深めることができます。
お勧めの書籍
自然散策が楽しくなる! コケ図鑑(池田書店)
はじめての苔テラリウム(成美堂出版)園田純寛
苔のある生活 ポンと置くだけで癒される(日東書院本社)大島恵
ホソウリゴケの育て方のポイント
- 日当たり:半日陰の湿った場所を好みます。直射日光は避けてください。
- 水やり:乾燥に強いですが、こまめな霧吹きで水分を与えてください。
- 用土:市販の苔用土や、赤玉土と鹿沼土を混ぜた用土がおすすめです。
ホソウリゴケは、その美しい見た目だけでなく、育てやすさも魅力の一つです。 忙しい毎日の中で、ホソウリゴケを育てることは、癒しや心のリフレッシュにつながります。
ぜひ皆さんも、足をとめて、小さな美しい世界を覗いてみませんか?
参考文献
野外観察ハンドブック 校庭のコケ 中村俊彦・古木達夫・原田浩 共著 全国農村教育協会
コケ図鑑 大石善隆
日本の野生植物 コケ 平凡社