皆さんコケは好きですか?
コケといったらモコモコしていて、触るとふわっとした優しい感じを思い浮かべる方も多いと思いますが、そのコケの代名詞のようなコケが、この「ホソウリゴケ」です。
北海道から沖縄まで日本全国生えていて、寒さにも暑さにも乾燥にも強いとても身近なコケです。地面だけではなく石畳やアスファルト、コンクリートの間にモコっとした群落をつくっています。
ホソウリゴケ
植物界
蘚苔植物門
蘚綱
ホンマゴケ目
ハリガネゴケ科
ウリゴケ属
ホソウリゴケの特徴と生態
全国に広く分布するコケ。
ギンゴケなどの他のコケや植物のツメクサと一緒に生えていることも多いです。
一つの葉の大きさはわずか0.5ミリほど、長さ1センチほどの茎が地下茎で一つになって一つの塊になっています。
ホソウリゴケの小さな葉をよく見ると、真ん中に1本線が入っていてちょっと尖っているのが見えます。葉のふちにはギザギザはありません。雄株と雌株に分かれていますが雌株が成長して胞子体をつくるのはめずらしく、なかなか見ることが出来ません。
ホソウリゴケは、その丈夫さから、盆栽の下草や、苔テラリウムの材料としてよく利用されます。その独特の風合いから、インテリアとして人気があります。
ホソウリゴケの増やし方
ホソウリゴケは、葉腋から出る無性芽で増やします。無性芽は、葉腋から少しずつ伸びてきて、やがて独立した株になります。
無性芽が独立した株になったら、そっと手で取り出して、新しい場所に植え付けます。
ホソウリゴケの育て方のポイントは、以下のとおりです。
- 日当たりの良い場所に置く
- 土は、水はけの良いものを選ぶ
- 水やりは、土が乾いたらたっぷりと行う
ホソウリゴケは、比較的育てやすい苔ですが、夏場の蒸れに注意が必要です。
参考文献
野外観察ハンドブック 校庭のコケ 中村俊彦・古木達夫・原田浩 共著 全国農村教育協会
コケ図鑑 大石善隆
日本の野生植物 コケ 平凡社