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ハマヒルガオ

ハマヒルガオ

日差しが一日づつ伸びていく5月ごろになると、海岸にもいろいろ花が咲き始めます。
海岸は地面が砂なので風に飛ばされやすく不安定だったり、海水がかかってきたり、強い日差しを受けて水分が蒸発してしまったりするなど、厳しい環境です。そんな海岸に生きる植物は内陸に住む植物よりも肉厚で丈夫な体を持っています。

ハマヒルガオ

植物界
被子植物門
双子葉植物綱
ナス目ヒルガオ科
ヒルガオ属

ハマヒルガオの特徴

朝顔より小さな4センチくらいの花をつける海岸の植物です。
花の色は薄いピンク色、つるで伸びます。長いつるで出来た茎は、砂の上を這ったり、砂の中にもぐったりして長く伸びて大群落をつくります。葉は3センチくらいで丸く、表面はクチクラに覆われてつやがあります。

クチクラとは、葉や茎の表皮の外側を覆う薄い膜です。主に、セルロースやヘミセルロースなどの多糖類、脂質などで構成されています。クチクラに覆われていれば水分の蒸発を防ぎ、塩分から葉を守ることができます。
ハマヒルガオは日本の海岸ならどこでも見られます。

ハマヒルガオの持つ丸い葉は珍しい形です。陸上の植物に丸い葉はあまり見られません。葉が丸いとお互いが重なり合う部分が多くなり、日光が効率的に当たりません、けれど水の中の植物の葉には丸いものがよく見られます。なぜでしょうか?

水生植物も日には当たりたいのですが、葉が沈んでしまっては光合成が出来ずに死んでしまいます。そのため水中で葉が浮かぶように葉の表面積を少ない丸い形が好まれます。葉の表面積が小さいほど水の抵抗を受けにくくまた水の流れの影響を受けにくくなり、葉が倒れにくくなる効果もあります。

参考文献

海岸の植物を観察しよう 千葉県立中央博物館 海の博物館
日本の野草 山と渓谷

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