となりの生き物

星のかけら チビイチマキヒトデ

チビイトマキヒトデ

海岸の石をひっくり返すとそこには、
ゼリー状の生き物、
ひものような生き物、
また小さな貝やウニなどのかわいらしい小さな生き物がたくさん見つかります。

そのなかでも、星の形をしたチビイトマキヒトデという小さなヒトデと出会えることがあります。

ここではそんな、星のかけらのような海の生き物をご紹介します。

チビイトマキヒトデ

動物界
棘皮動物門
ヒトデ綱
アカヒトデ目
イトマキヒトデ科
チビイトマキヒトデ属

チビイトマキヒトデの特徴と生態

チビイトマキヒトデは、相模湾から九州までの海岸で良く見られるヒトデです。

体の大きさは5mm~2cm
ヒトデの特徴の「腕」が、ほとんどなく、5角形の丸みのある体をしています。

体の色は灰色や茶色、薄いピンクなどいろいろな色があります。
体の中心に向かってすこしもりあがっているので、ふっくらとした印象をしています。

ヒトデの体は私たちの体とだいぶ違う形をしています。
彼らは海の底や、岩の上を這って生活しています。
そして、彼らの食べ物は、海の底や岩にくっついています。

這って動くこと、食べ物は底にあることから、彼らの口は上から見て下側、つまり、岩に貼りついている側にあります。

そして肛門は、口から離れたところにあった方が良いでしょうから、上から見える面(背中側)についています。

「体の上に肛門がある」ということは、私たちなら逆立ちをしているような感じになり、イメージしずらいですが、彼らの体と生活を考えると、とても理にかなった体つきをしていることが分かります。

チビイトマキヒトデは、潮間帯から水深10メートル程度の比較的浅い海に住んでいます。

チビイトマキヒトデはの食事は、藻類やデトリタス(生物の死骸や排泄物、植物の枯葉など、生物由来の有機物が分解され、小さな粒子になったもの)などです。
チビイトマキヒトデは藻類やデトリタスを食べて分解することで、海中の栄養循環を促進し、生態系の維持に重要な役割を果たしています。

チビイトマキヒトデは雌雄同体つまりオスとメスとの区別がありません。
個体によって卵巣、または精巣のどちらか一方が成熟して他の個体と受精することが出来ます。
また、単独で飼育した場合は自家受精することもできます。
卵は岩や海藻の表面に産み付けられ、孵化した幼生は海中を這って生活します。

チビイトマキヒトデの観察のコツ

小さくてかわいらしいチビイトマキヒトデを観察してみませんか?
小さな体の中に大きな魅力が詰まっている生き物ですから、観察はきっと楽しいはずです。

チビイトマキヒトデ観察のコツ

観察のポイントをいくつかご紹介します。

  • 場所
    チビイトマキヒトデは、岩礁域の岩の上などで見つけることができます。
    潮が引いた時に、岩をよく観察してみましょう。
    特に、潮だまりや岩の隙間などに隠れていることが多いです。
  • 時期
    春から秋にかけてが観察しやすい時期です。
    水温が温かく、生物が活発に活動する時期なので、見つけるチャンスも増えます。
  • 道具
    ルーペやピンセットがあると便利です。
    ルーペで拡大して観察することで、小さな体の模様や特徴をより詳しく観察できます。
    ピンセットを使う際は、優しく扱うように注意しましょう。
  • 観察ポイント
    • 体の色
      淡い緑色や茶色、薄いピンク色をしていることが多いですが、個体によって多少の色の違いがあります。
      表面に赤い斑点があるのが特徴です。
    • 腕の数
      通常は5本の腕を持っていますが、再生中など、腕の数に個体差があることがあります。
    • 管足
      体の表面にある小さな管足は、移動や呼吸に使われます。
      ルーペで観察すると、その動きがわかります。
    • 周囲の環境
      チビイトマキヒトデがどのような環境で生きているのか、周囲の生物や岩の様子なども観察してみましょう。

観察時の注意点

  • 持ち帰らない
    野生生物は、その生息環境で観察するのが基本です。
    持ち帰ると、ストレスを与えたり、他の生物に影響を与えたりする可能性があります。
  • 優しく扱う
    チビイトマキヒトデは非常にデリケートな生き物です。
    触れる際は、優しく扱うようにしましょう。
  • 環境保護
    観察場所の環境を汚したり、破壊したりしないように注意しましょう。

観察記録

観察したことを記録しておくと、より観察が楽しくなります。

  • 観察日時
  • 観察場所
  • 天気
  • 水温
  • 観察できた個体数
  • 体の特徴  (色、大きさ、腕の数など)
  • 周囲の環境
  • その他  (観察中に見つけたこと、感じたことなど)

観察を通して学べること

  • 生物の多様性
    チビイトマキヒトデ以外にも、様々な生き物が海には生息しています。
  • 生態系のつながり
    チビイトマキヒトデが他の生物とどのように関わっているのか、生態系について考えるきっかけになります。
  • 環境問題
    海の環境の変化が、生物にどのような影響を与えるのか、環境問題について考えるきっかけになります。

チビイトマキヒトデの観察は、自然の素晴らしさを再認識できる貴重な体験です。
ぜひ、観察を通して、海の生き物たちの世界に触れてみてください。

観察を楽しむためのヒント

  • カメラを持って観察に出かけ、写真を撮影するのもおすすめです。
  • 観察仲間と一緒に観察に出かけるのも楽しいでしょう。
  • 観察したことを図鑑やノートにまとめることで、記憶に残ります。

観察を通して、あなただけのチビイトマキヒトデの世界が広がるかもしれません。

チビイトマキヒトデは、すばやく動くことはないので磯遊びには観察しやすい生き物です。
石の裏に住む生き物をぜひ探してみてください。

参考文献

磯の生き物図鑑 トンボ出版
日本動物大百科 平凡社

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RP:株式会社イワミズ

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