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若返りの秘訣は自然の中に リコピンで叶える 美と健康

リコピンでかなえる美と健康

皆さんはトマトお好きでしょうか?
トマトには美容と健康にうれしい「リコピン」と呼ばれる栄養が、豊富に含まれています。

リコピンが体に良い・・・

ということはなんとなく知っていても、何が良いのか、よく分からない・・・という方もいらっしゃるかと思います。


ここでは、そんなトマトのリコピンについての「なぜ?」について、どこよりもくわしく解説します!
ぜひ、リコピンの驚きの力を知って美容と健康にお役立てください!

リコピンとは

リコピンは、トマトに多く含まれているらしい・・・・
ということは、「リコピンの量が2倍!!」など、よくトマトジュースに書いてあるので、なんとなく分かります。

実は、リコピンをもつ野菜はトマト以外にもあります。
例えば、パプリカ、ニンジン、スイカ、ピンクグレープフルーツなどの赤やオレンジ色の植物にはリコピンが含まれています。

リコピンを含む野菜や果物たち

野菜や果物に含まれるリコピンの量は、その品種や栽培方法、成熟によって大きく異なりますが、一般的な含有量は以下のとおりです。

食品リコピン含有量(100gあたり)
トマト約4.2~8.5mg
スイカ約3.6~6.8mg
パプリカ(赤)約0.5mg
ニンジン(通常)約0.1mg
ニンジン(リコピンにんじん)約8mg

野菜等健康食生活委員会ホームページ v350f200.com (5aday.net)
e有機生活 (eu-ki.jp)
地球環境と健康を考える HIRYU / リコピン

リコピンとトマトの関係

リコピンとは、トマトやスイカなどに色を持たせる「色素」の一つです。
リコピンをもっている植物は赤やオレンジ色に見えます。

実は、リコピンとは、トマトの学名 Solanum lycopersicum(ソラルム・リコペルシコム)からつけられたものです。

トマトにリコピンがあることが分かったのは、20世紀初頭のことです。
ある学者が、当時知られていなかった色素をトマトから発見します。
それをトマトの学名のリコペルシコムからとって「リコピン」という名付けたのが始まりです。

つまり、先にトマトに学名がついていて、トマトを調べたらトマト特有の色素が見つかって、その色素に名前が必要だ、ということになり、学名に寄せた「リコピン」という名前が付けられたのです。

このように、リコピンとトマトは、とても深い関係にあります。

リコピンの役目

でも、なぜトマトにはリコピンがあるのでしょうか?

リコピンはトマトの細胞で2つの役割があることが知られています。

1.色素としての役割

リコピンは、トマトを赤い色にさせます。
若いトマト緑色をしています。トマトは成熟すると赤くなります。
これは、トマトの表面にあるクロロフィル(植物を緑にする)が分解され、リコピンが増えてくるため赤い色になります。トマトの赤色は、動物や人間にとって視覚的なシグナルとなり、成熟した果実を見つけやすくなります。

動くことのできない植物が、種を拡散させる方法はとても重要です。
トマトは、種をできるだけ広い範囲に散らばらせ、種を増やそうとしています。
トマトの成熟した種の入っている果実を、赤い目立つ色にするのは、トマトの戦略の一つと考えられています。

2. 活性酸素を除去する

また、リコピンは非常に強い抗酸化させる力を持っています。

抗酸化させる力とは、酸素を安全に体の外に出す力のことです。

私たちも、トマトも、生きていく上で酸素を体に取り込んで、二酸化炭素を排出する呼吸をしていますが、その呼吸のときにごくわずかですが十分に反応が行われず、活性酸素が発生してしまう場合があります。

活性酸素は、体の中に放置しておくと細胞を傷つけ、老化や様々な病気の原因となることがあるので、体の外へ素早く取り除かなければなりません。陸上に上がった動植物には活性酸素を除去するしくみが備わっています。

活性酸素を除去するには、人も植物も同じ酵素を使います。
例えば、次の3つの酵素による分解が有名です。

  • スーパーオキシドディスムターゼ (SOD)
    一番反応の早い「スーパーオキシド」と呼ばれる活性酸素を、過酸化水素と酸素に分解して毒性を弱めることができます。
  • グルタチオンペルオキシダーゼ
    活性酸素(過酸化水素)を、水と酸素に分解し無害化させることができます。
    細胞膜を壊す活性酸素(脂質過酸化物)を還元させ、細胞膜を保護します。
  • カタラーゼ
    カタラーゼは、ほぼすべての真核細胞に存在する「ペルオキシソーム」と呼ばれる細胞小器官内に存在しています。活性酸素の過酸化水素を、水と酸素に分解することができます。

これらの酵素は、植物や私たちの細胞内に存在し、常に活性酸素を監視し、発生した活性酸素を迅速に分解することで、細胞を酸化ダメージから守っています。

しかし、紫外線やガンマ線、乾燥や高温、体の中で起こる炎症などによって酵素が活性酸素を除去できない場合があります。

活性酸素さらなる除去 色素

私たちは、酵素で除去できなかった活性酸素をさらに除去することはできません。
けれど、植物は、「酵素」を使って除去しきれなかった活性酸素も、さらに除去することができます。

植物は、自分自身の体の中で、さまざまな「色素」をつかい分け、活性酸素の働きをおさえ、除去することができるのです。

植物の持つ色素には大きく分けて3つあります。

  • フラボノイド:様々な色の色素成分で、抗酸化作用が強いことが知られています。
  • カロテノイド:赤、橙、黄色の色素成分で、活性酸素を消去する働きがあります。
  • ビタミンC:動物と同様に、植物もビタミンCを合成し、活性酸素を中和します。

植物はこれらの色素を使い分けて、活性酸素から身を守っています。

リコピンは、2番目のカロテノイドの仲間の一つです。

私たちは、酵素で除去しきれなかった活性酸素を、体の中で何かを合成して除去することはできません。
しかし、さらに活性酸素を除去する力を手に入れる方法があります。
それは、植物を食べればいいのです。

もちろん、私たちの体の中に入れば、野菜や果物に含まれる色素は、消化されますが、その力が完全に失われるわけではありません。色素の一部は、消化管から吸収され、血液中を巡ります。吸収された色素は、体内の様々な場所で抗酸化作用を発揮することができます。

また、色素が完全に分解されても、その分解産物に抗酸化作用を持つものがあります。
例えば、ポリフェノールの一種であるアントシアニンは、腸内細菌によって分解され、より吸収されやすい形に変換されることで、その効果が持続します。

リコピンはなぜ活性酸素を抑える力が強いのか?

リコピンが他の色素よりも活性酸素を抑える力が強いと言われるのはなぜでしょうか?
それには、いくつかの要因が考えられます。

リコピンの特徴

  • 構造
    リコピンは直線状の構造で非常に安定しています。
    そのため、外部からの攻撃に対して耐えられる力が強いのです。
    この安定性から、リコピンが活性酸素と反応しても、自身が酸化されにくく、活性酸素を効果的に消去できることに繋がります。
  • 電子
    リコピンは、多くの電子を持っています。
    活性酸素が他の分子から電子を奪おうとする酸化反応を、この電子が阻害することができます。活性酸素に電子を供給して、安定化させ、その働きを抑制することができます。
  • 脂溶性
    リコピンは脂溶性なので、細胞膜にスムーズに浸透することができます。
    細胞膜は、活性酸素が発生しやすい場所の一つであり、リコピンが細胞膜内に存在することで、発生した活性酸素を素早く捕捉し、酸化反応を抑制することができます。

リコピンの活性酸素を抑える3つの方法

  • 直接的な消去
    リコピン自身が活性酸素と直接反応し、無害な物質に変えることで、活性酸素の数を減らします。
  • 抗酸化酵素の活性化
    リコピンは、体内の抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼなど)の働きを活性化し、間接的に活性酸素を除去する効果も期待できます。
  • 炎症反応の抑制
    リコピンは、炎症反応を引き起こす物質の産生を抑制することで、活性酸素の発生を抑える効果も期待できます。

他の色素との比較

他の色素と比較して、リコピンが特に強い抗酸化力を示す理由は、その構造や電子状態、脂溶性といった特徴が複合的に作用していると考えられます。
例えば、β-カロテンも抗酸化作用がありますが、リコピンのほうが直線的な構造であるため、活性酸素と反応しやすいという特徴があります。

リコピンの効果

最後に、リコピンを食べ物から摂取することには、美容や健康によい効果があります。
どんな効果があるかまとめました。

  1. 抗酸化作用
    リコピンは強力な抗酸化物質であり、体内の活性酸素を中和し、細胞のダメージを防ぐ助けをします。これにより、老化や慢性疾患のリスクを減少させる可能性があります。
  2. 心血管の健康
    リコピンを多く含む食べ物を摂取することは、心臓病のリスクを低減する可能性があります。リコピンが血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を抑えることで、動脈硬化を予防する効果があるとされています。
  3. がん予防
    いくつかの研究では、リコピンの摂取が特定のがん、特に前立腺がんのリスクを低減する可能性が示唆されています。
    ただし、全ての研究で一貫した結果が出ているわけではなく、個々の研究結果を総合的に判断する必要があります。

    リコピンは、あくまで食事から摂取する栄養素であり、がんの治療薬ではありません。
    がん治療にプラス免疫 | 治療法解説や回復症例、病院の紹介など (cancertxplus-meneki.net)
    エビデンス | Cochrane
  4. 皮膚の健康
    リコピンは紫外線による皮膚のダメージを軽減し、肌の健康を保つ効果があるとされています。また、皮膚の老化を遅らせる効果も期待されています。
  5. 眼の健康
    リコピンは眼の健康を保つのにも役立ちます。抗酸化作用により、加齢黄斑変性症(AMD)などの眼疾患のリスクを減少させる可能性があります。

リコピンを豊富に含む食べ物を日常的に摂取することで、これらの健康効果を得ることができると考えられています。

ただし、バランスの取れた食事が重要であり、特定の成分だけに頼るのではなく、多様な食材を摂取するのがお勧めです。

リコピンの吸収率を高めるには?

リコピンの吸収率を高めるには、いくつかの方法があります。

リコピンの吸収を高めるためのポイント

  • 加熱調理
    リコピンは脂溶性なので、油と一緒に加熱することで吸収率が大幅にアップします。オリーブオイルやバターなどと一緒に調理すると効果的です。
  • 一緒に摂る食材
    リコピンは、他の食材と一緒に摂ることで、吸収率がさらに高まることがあります。
    • :オリーブオイル、ごま油など
    • 野菜:玉ねぎ、にんにく、ブロッコリー、キャベツなど
    • 乳製品:牛乳
  • 加工食品
    トマトジュースやケチャップなど、リコピンが豊富に含まれた加工食品もおすすめです。
  • 熟したトマト:リコピンは熟したトマトに多く含まれます。赤く熟したトマトを選ぶようにしましょう。

リコピンの吸収を高めるための具体的な調理法

  • トマトソース
    トマトをオリーブオイルで炒め、他の野菜と一緒に煮込んでトマトソースを作ると、リコピンの吸収率が高まります。
  • トマトスープ
    トマトをベースにしたスープは、手軽にリコピンを摂取できます。
  • 炒め物
    トマトを油と一緒に炒めると、リコピンの吸収率がアップします。
  • パスタ
    トマトソースを使ったパスタは、美味しくリコピンを摂取できます。

その他にも

  • ミキサーにかけたりすりつぶす
    トマトをミキサーにかけたり、すりつぶすことで、細胞壁が壊れてリコピンの吸収率が高まります。
  • 朝食にトマトジュース
    朝食にトマトジュースを飲むのもおすすめです。牛乳と組み合わせると、カルシウムも一緒に摂取できます。

注意点

  • 加熱しすぎ:リコピンは熱に強いですが、加熱しすぎると壊れてしまう可能性があります。
  • 品種:トマトの品種によってもリコピンの含有量は異なります。

リコピンの吸収を高めるためには、油と一緒に加熱したり、他の食材と一緒に摂ったりすることが効果的です。様々な調理法を試して、美味しくリコピンを摂取しましょう。

ご自身の体調や体質に合わせて、無理なく続けられる方法でリコピンを摂取してください。

まとめ

リコピンは、他の抗酸化物質よりも非常に高い活性酸素消去能力を持っています。

活性酸素とは、体内の脂質やタンパク質を酸化させ、細胞を傷つけ、老化や様々な病気の原因となります。リコピンは、この活性酸素を効果的に除去することで、細胞のダメージを軽減し、健康維持に役立てることができます。

リコピンは、その構造的な特徴や電子状態、脂溶性などにより、他の色素と比較して、強い抗酸化作用を示すことが分かっています。

植物は、酵素と自ら作る色素によって活性酸素を除去することができまが、私たちも体内に活性酸素を除去する酵素を合成することはできますが、植物の持つような色素は合成することができません。
そこで、植物の作る色素を食べることでその力を拝借することができます。

リコピンはトマトやスイカ、パプリカやニンジンに含まれています。
特にトマトは食べやすく、一度に多くの量を摂取できるので効果的にリコピンを取ることができます。

リコピンの吸収を高めるには、加熱調理や油と組み合わせた調理がお勧めです。
様々な料理に取り入れて、リコピンの力を最大限に活かしましょう。

リコピンの効果は、個人の体質や健康状態によって異なります、気になる場合は医師や栄養士に相談することをおすすめします。

トマトはリコピンをたくさん含んだおいしい野菜です。
生のままでも、炒めても、ソースにしても、ジュースにしてもおいしくいただけます。
また、缶詰もあるので一年中簡単に手に入れられる、うれしい野菜です。

ぜひ、毎日の食卓に取り入れて美容と健康にお役立てください。

トマト - Wikipedia
「抗酸化療法」とは?活性酸素の知識と効果的な老化予防 - 国立消化器・内視鏡クリニック (kunitachi-clinic.com)
山形のとまとの森 (tomatonomori.com)
日本植物生理学会 (jspp.org)
地球環境と健康を考える HIRYU / corporate site
リコペン - Wikipedia

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