となりの生き物

すずめがぴょん 

見上げるスズメ

今日は天気が良いので
「散歩に行こう・・・」と身支度をし玄関の扉を開ける。

空は青く、日差しがまぶしい。ふと見上げると電線からチュンチュン
すずめだ・・・

すずめは私たちの身近にいる鳥です。
ちょこちょこよく動くので、よく見たこともない方も多いと思います。

そこでクイズをご用意いたしました。
あなたのすずめは A B C どれですか?

カワセミ

A

すずめ

B

シジュウカラ

C

正解は B です! 正解しましたか?

A かわせみ C しじゅうから です。

私たちの身近な鳥 すずめ

すずめは体長 14.5㎝ほどの小さな小鳥です。
だいたいハトの半分くらいの大きさです。
口のまわりから喉元にかけて黒く、羽の色は茶色と黒の縞模様です。

すずめの最大の特徴は、足の指のつくりです。

すずめの足跡
すずめの足跡


足の指は前に3本、うしろに1本伸びています。
枝につかまるときは前の3本と後ろの1本で枝をにぎりしっかりと体を支えてくれます。

すずめの足はしゃがむと指が自然に閉まってつかむ構造になっているため寝ていてもゆるむことなく、枝にとまっていられます。

すずめのくらし

すずめは北は北海道、南は沖縄まで上野駅のホームのすきまから、日光中禅寺湖まで広く生息しています。

スズメが人の近くにいる理由は2つ考えられています。

  • カラスやイタチ、ヘビなど科の天敵から体を守るために人を利用している
  • 人工物が巣をつくるのに適しているから

などが言われていますけれど、本当の理由は良く分かっていません

日本のすずめはユーラシア大陸全体に生息しています。
同じすずめはヨーロッパにも住んでいますが、ヨーロッパの同じすずめは人の近くではなく森で暮していて日本の暮らし方とは違います。

すずめの巣と子育て

すずめは藁や枯草を集め 20㎝くらいの丸い巣をつくります。
巣は子育てするだけの仮の住まいで、ひなが大きくなって巣立てば、もうひなは巣に戻ってきません。
巣は再び使われることはありますが巣で眠ったりすることはありません。

ワラをくわえるスズメ
巣の材料の藁をくわえるすずめ

巣作りはまだ肌寒い 3月ごろから始まります。
建物のすきま、配管のなか、煙突、鉄骨のすきまなど3㎝程度のすきまなら入り込めます。
巣の材料は枯草、小枝などを使って土台をつくり内装に犬や猫の毛、鳥の羽を敷いて完成です。

桜が咲く4月ごろから産卵が始まり、1日ひとつ産んでゆき、だいたい5個くらいの卵を産みます。
卵は青みがかった白に黒い斑点もようの付いた2cmほどの大きさです。

2週間ほどでひなが孵り、さらにもう2週間ほどするとひなは巣立ちます。
ひなは巣立ってからしばらくは親と一緒に生活し、エサの取り方や天敵から身を守る方法などを教わります
自分のことが一人で出来るようになれば親からの保護はなくなり独り立ちします。

秋になるとすずめは、竹やぶや林また街路樹に集まり群れをつくって行動します。

群れをつくる理由

  • 集まることで体温低下を防ぐ
  • 明日のえさ場のさがしやすさ(知っている仲間について行けばよい)
  • 天敵から身を守る

などが言われていますが、けれど本当の理由は良く分かっていません。

すずめの歩き方 

すずめを眺めていると、両足をそろえてジャンプしながら移動することがあります。

「ホッピング」と呼ばれる、すずめや小鳥に多い歩き方です。
すずめがなぜホッピングで歩くのか、これも良く分かっていません。

よく言われるのは、すずめは気にとまっているときが一番長いし、安定しているので枝から枝に移動するときと同じように地上でもホッピングする。

というものですが、すずめは地上にいる時間も長いので、ちょっと説得力が弱いので疑問視されています。

参考文献 藤田祐樹 2005 化石研究会会誌 鳥とヒトの二足歩行

すずめの文化

すずめは古くから人の近くにいたので、さまざまなモチーフになったり、お菓子、お酒の銘柄名にも使われています。

雀色とは

雀色 茶色
雀色

雀色とは茶色の総称をさします。
江戸時代、ぜいたく禁止令が幕府から何度も発令されました。
華やかな赤や紫を身に着けるのは(自分たちの立場がなくなるから)禁止といういやがらせです。

そこで町人や農民たちは、許されていた灰色、茶色を薄くしたり濃くしたり微妙な変化をつけた色をたくさん作りました。

そこに歌舞伎役者さんたちが、花鳥風月を取り入れたこだわりのネーミングをつけ楽しんだため、色々な色に名前が付きました。

そのなかに、雀色の雀茶という色もそのとき作られました。

スズメの観察のポイント

スズメは身近な鳥ですが、観察するにはいくつかのポイントがあります。

場所

  • 公園、住宅街、田んぼ、河原など、スズメがよく見られる場所を選びましょう。
  • スズメは餌場によく集まるので、餌台を設置するのも効果的です。

時間帯

  • スズメは早朝と夕方によく活動します。
  • 特に繁殖期である春と夏は、子育ての様子を観察しやすいでしょう。

服装

  • 目立たない色の服装を心がけ、静かに動きましょう。
  • 双眼鏡があると、遠くのスズメを観察することができます。

その他

  • スズメに餌を与えたり、触ったりするのはやめましょう。
  • 巣を見つけた場合は、そっと離れて観察しましょう。
  • 観察記録をつけることで、スズメの生態をより詳しく知ることができます。

スズメは観察しやすい鳥なので、ぜひ上記を参考に観察してみてください。

3匹のすずめ

参考文献  すずめの謎 三上修 誠文堂新光社
      にっぽんすずめ散歩 ポンブラボ編 株式会社カンゼン
      野鳥の事典 清澄幸保 東京堂出版       

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