となりの生き物

スギの奥深い世界:歴史から花粉症対策まで、知られざる「木の王様」の物語

知られざるスギの世界

あなたの知らないスギの魅力

あなたは花粉症になりやすいタイプですか?
「まったく花粉症にならない・・・」
と言う方もいらっしゃるかと思いますが
「正月を過ぎると、ムズムズし始める・・・」
と言う方も多いのではないでしょうか?

花粉症と言えばスギの木が有名ですが、山にはたくさんの木が生えているのに、なぜスギだけが大きな問題になるのでしょうか?

実は、スギはとっても使いやすい木材として、古くから寺院や神社、船、土木などの大きな建物の材料として使われていました。それだけではありません。樽や桶、家具や割りばしなどの日常品、そして彫刻などの工芸品としても使いやすい貴重な材だったため、今でも人工的に植えているのです。

「こんな厄介な木を人工的に植えるなんて!!」
と感じた方はぜひ、続きをご覧ください!
ここでは、あなたの知らない「スギ」について徹底解説します!

スギについてもっと知って、上手に花粉症対策をしていきましょう。

スギは陸橋を超えて中国から渡ってきた

スギが日本大陸に上陸したのは、まだ人類もいなかった30万年から100万年前のことと言われています。

地球は寒冷化と温暖化を繰り返していますが、温暖化すると海水面が上がるので陸が少なくなります、逆に、寒冷化すると海水面が下がり、海の中にあった陸が顔を出します。

スギの原種だった木は、寒冷化して中国と日本の間の海水がなくなり、陸が海水から顔を出したとき、その陸を伝ってやってきた、と考えられています。

ちなみに、大陸と陸続きになっていたとき、スギ以外にもコナラ、クヌギ、クリ、ブナ、ヨモギ、イネ、カヤツリグサ、キクなども日本に渡ってきたことが知られています。
第4紀研究 2017年12月
氷河時代の日本列島 

スギは日本の「生え抜き」

中国から渡ってきたと考えられているスギですが、日本に定着してから長い年月を経ているので、中国に存在しているスギとは違った種類に分化していきます。日本のスギの学名は「Cryptomeria Japonica」といい、英語では「Japanese Cedar」と呼ばれるように、今では日本固有の針葉樹です。

人類のいなかった日本列島は、スギやヒノキなどの針葉樹が、ブナやシイ・カシ類といった広葉樹と混じりあって生育していました。広葉樹林の葉っぱの間を、針葉樹の尖った葉っぱが突き抜けるような森によって、広く覆われていたと考えられています。

スギが日本で使われ始めた記録はとても古く、今から約6500年前の縄文時代早期の福井県・鳥浜貝塚ではスギの板材が発見されています。
また、弥生時代後期の静岡県・登呂遺跡でも、水田のあぜ道の崩れを防ぐために、おびただしい数のスギの矢板が出土しています。これは、スギが非常に割りやすい性質の木だったため、当時の人々にとっても扱いやすかったためです。

スギという名前の由来には、「真っ直ぐに高く伸びる木」から「直ぐ木(スグキ)」、あるいは「上へ上へ進む木」から「進木(ススギ)」という説が有力です。

スギが日本固有種で、日本の気候に生育が適しているだけでなく、木材が軽くて柔らかく、加工しやすいという優れた特性を持つことは、日本の湿潤な気候に適した住環境や生活道具の発展を強力に後押しし、日本の「木の文化」の発展を支えました。

日本に古くからスギが単に「生えている」というだけではなく、日本の風土と文化に深く根ざした共生の歴史を物語っています。

戦後の大規模植林とその理由

日本の森林面積約2,502万ヘクタールのうち、スギの人工林(人が木を植えた森林)は約440万ヘクタールと、全体の約18%を占めるほど広範囲に植えられています。
林野庁ホームページ

前述のとおり、スギは日本の気候に合ってよく育ち、加工もしやすかったため、人々は昔から人工的にスギを植えて利用していました。

そして、特に第2次世界大戦後、昭和20~30年代(1945年~1965年ごろ)にかけて、戦後の復興期における木材需要の増大します。
荒れ果てた人々の暮らしを支えるための建築物として、また引揚者の雇用確保のため「造林臨時措置法」「拡大造林政策」など大規模な公共工事のような勢いで、スギの大量植林は進んでいきます。

日本の山にスギが多く植えられているのは「木材需要の増大」「国民の災害からの保護」「経済成長の支援」という、当時の日本にとって人々が生きていくためにどうしても必要なものだったからでした。

なによりも、スギの「成長が早く、産業材として優れている」という特性が、この大規模植林を後押しして、スギを植えられるところはどこでも「スギを植えていこう」という方針が力強く勧められたのです。

しかし、この政策が、現代における大量の花粉飛散という、当時の人々には予測しえなかった、重大な結果をもたらします。

このように花粉症問題は、単なるアレルギーではなく、日本の社会経済史と深く結びついた問題だったのです。

スギと日本の文化・信仰

スギは使いやすい建築物の木材として多く使われてきましたが、それは文化や信仰という心の面からも大切な存在でした。

スギは日本の歴史と深く結びついています。
ヨーロッパの「石の文化」に対し、日本は「木の文化」と言われるほど木材が生活に深く根ざし、その爽やかな香りが神聖な木として、神社の建材や神事に使われました。
それは、特定の樹木を神聖視する「樹木崇拝」の対象でもありました。
神社の境内にはしめ縄で囲まれた「御神木」があったり「天狗が腰かけた」「仏具が引っかかっていた」などの物語が言い伝えられるなど、スギが神様と人間の橋渡しするような概念とも深く関連しています。


全国各地の山岳信仰と関係の深い神社仏閣の近くにはスギの古木林が存在し、修験道の行者によって植えられました。今でもいくつかの寺社仏閣ではスギの奉納する習慣が残り、スギを神聖化する信仰は残っています。
【公式】ふくおか応援サイト
高尾山薬王院公式ホームページ

スギと日本の文化遺産に関わる名所の一部を紹介します。

建造物/場所名スギとの関係(例:建材、杉並木、御神木、信仰の対象)簡単な説明
旧料亭金勇 (秋田県能代市)天然秋田杉を贅沢に使用した建造物天然秋田杉の良材を余すことなく使用した上品な造りで、国登録有形文化財。
羽黒山のスギ並木 (山形県鶴岡市)江戸時代に植えられた杉並木約2kmにわたる参道の杉並木で、国の特別天然記念物に指定されている。
須山浅間神社 (静岡県)御神木樹齢1600年頃から植えられていた杉の年輪が神社の歴史を裏付ける御神木。
吉野スギ(奈良県)スギの植林と「木の文化」スギの植林が盛んで、間伐材の利用など「木の文化」を形成してきた先進林業地。

暮らしを支えるスギ:多用途な「木の王様」

スギ材の優れた特性

ご紹介しているように、スギ材は他の木材に比べて非常に軽量で柔らかく、加工しやすいという特徴があります。この特性は、建材や家具製作はもちろん、DIY初心者にも扱いやすい木材として人気を集める理由となっています。

また、独特の温かみのある美しい木目と、天然の香り(フィトンチッドなど)があり、空間にリラックス効果をもたらしてくれます。

さらに、湿気を吸収・放出する優れた調湿機能と高い断熱性も持っています。

これにより、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内環境を保つことができます。この調湿効果は、腐敗やカビにも強く、家屋などを建設する際に特に効果的なのです。

幅広い利用方法

スギ材は、住宅建材として最も広く利用されており、柱や梁、壁材、フローリング、羽目板、建具材、天井板など、家を構成する様々な部分で使用されます。その軽さと加工のしやすさは、大規模な建築から小規模なリフォームまで幅広く活用される理由の一つです。

建築用材だけでなく、日本酒の酒樽や桶、工芸品、割り箸、家具、包装用材など、私たちの普段の暮らしに溶け込む多岐にわたる小物にも使われています。実は普段使っていた木製のものがスギだった、ということも少なくありません。

最近では、スギを圧縮して体積を小さくすることで強度を高めた「圧縮材」がフローリングなどにも使用されることもあります。また、防風林としての機能や、葉が線香の原料になることもあります。

酒蔵の軒先に吊るされる「杉玉」は、新酒の熟成具合を知らせる役割を持つ、風情ある文化の一部です。

スギは成長が早く、伐採から再造林、また伐採するサイクルが短いため産業材として優れています。成長期の林では、二酸化炭素(CO2)の吸収量も抜群に高いという、環境面での大きな貢献もしているのです。
林野庁ホームページ

花粉ができるまで:スギ雄花の不思議なサイクル

雄花の形成と成長

スギは雄花と雌花をつける樹木で、小さいうちは花をつけませんが、樹齢10年を過ぎると次第に花をつけるようになります。特に樹齢25年から30年に達すると、多くの雄花をつけるようになる傾向があります。
多くの人を悩ませる花粉が飛び始めるのは春先ですが、実はその雄花の成長は前年の夏に既に始まっています。

梅雨が明け、暑くなり始めるとまず雄花が着き始め、8月には枝先に綺麗な薄い緑色の雄花が目につくようになります。スギやヒノキは4月以降に新しい葉が伸び始め、5月下旬から6月にかけて雄花や雌花の細胞が分化します。そして、例年6月から秋にかけて雄花を形成していきます。雄花の中では9月下旬頃から花粉が作られ始め、雄花の色も次第に黄褐色へと変化していきます。スギの雄花は11月頃までに完成し、中に大量の花粉が作られます。

花粉の休眠と覚醒

大量の花粉が作られた後、雄花は低温や昼間の時間が短くなることによって活動を休止する「休眠」に入ります。そして、一定期間低温にさらされることで休眠から覚め、開花の準備期間に入ります。この準備期間の気温が高い暖冬であれば、休眠からの覚醒が早まり、花粉の飛散も早めに始まる傾向があります。

一つの雄花に40万個

休眠から覚醒し、開花時期が近づくと、雄花が伸長して外側に亀裂が入り、花粉を包む花粉嚢(かふんのう)が見えるようになります。この花粉嚢の薄い膜が破れることで、花粉の放出が始まります。驚くべきことに、スギは1つの雄花に平均しておよそ40万個もの花粉が入っていると言われています。

花粉量に影響を与える要因

夏の気温が高く、日照時間が長い年は雄花が多くつく傾向があると言われています。これは、花をたくさんつけるのに必要な太陽エネルギーが長い日照時間で十分蓄えられるからです。
逆に、冷夏や長雨の場合は雄花が少なくなり、翌年の花粉量が減少する傾向があります。

また、スギは二年続けて大量に雄花をつけることはあまりない、という傾向も知られています。
さらに、人間の顔が一人一人違うように、スギの木もそれぞれ異なる個性を持っており、雄花のつき方や花粉の量には遺伝的な違いがあることも分かっています。

早春になると注目されるスギ花粉ですが、花粉は前年の夏から作り始める、スギの樹にとって長期的なプロセスで、その年の気象条件が翌年の花粉量に決定的な影響を与えることが分かります。
特に「夏の気温と日照時間が翌年の花粉量に影響する」ことは、花粉飛散量の年ごとの変動の根本的な原因を示しており、これは気象と植物の複雑な相互作用が翌年の私たちの生活に影響を与えます。

花粉はどこへ飛ぶ?飛散のメカニズムと気象条件

風媒花としてのスギ

スギは、風によって花粉を運んで受粉する「風媒花(ふうばいか)」です。
マッチ棒の先ほどの雄花の中には袋状の葯(やく)があり、そこに大量の花粉が入っています。

雄花から放たれた花粉は、風に乗って雌花にたどり着き受粉します。

スギ花粉は粒子が非常に細かく、その飛距離は100kmを超えることもあると言われており、遠く離れた都市部にも飛来します。

スギ花粉の飛散は、単なる植物の生理現象ではなく、複雑な気象条件との相互作用によってダイナミックに変化する環境現象です。この現象は、花粉が風に乗って遠くまで運ばれるという特性に加え、気温、風、湿度、さらには雨の前後といった多様な気象要素が、花粉の飛散量や時間帯に大きく影響されます。

花粉が飛びやすい気象条件

花粉症に悩む人が「症状が重い日と軽い日がある」と自覚するように、スギ花粉の飛散量は、日や時間帯によって変化します。これには、風の強さや風向き、気温や湿度などの気象条件が大きく関わっています。

特に以下の気象条件が揃うと、花粉はより大量に飛散しやすくなります。

  1. 晴れて暖かい日
    スギの雄花は気温が上がると花が開きやすくなります。
    さらに、上昇気流によって花粉は空高く舞い上がり、広範囲に広がります。
    特に最高気温が15℃以上になるような日は要注意です。
  2. 風が強い日
    風は花粉を遠くまで運ぶ主要な手段です。
    風速が9〜10m/sを超えるような日は特に注意が必要です。
  3. 乾燥している日
    湿度が高いときは、花粉が湿気を吸って重くなるため飛散が軽減されがちですが、湿度が低くなって乾燥すると、花粉が軽くなり飛散量は増します。

気温がグッと下がる日でも、前日の気温が高い場合は、すでに開いたままの雄花から花粉が飛び出すことで飛散量が多くなる傾向があります。

時間帯による飛散量の変化

その日の気象条件などによって変わりますが、一般的には昼前後と日没後に花粉が多くなる傾向があります。これは、気温が上昇しはじめる午前中にスギ林から飛散した花粉が、数時間後の昼前後に都市部に到達するためです。
また、上空に上がった花粉が地上に落下してくる日没後のタイミングも花粉に注意が必要です。風が強いときは、夜でも飛散量が増えたり、すでに飛散した花粉が再び舞い上がったりするため、油断はできません。

雨の日の翌日も要注意

この時期、雨の降る前の日は気温が上がることが多くなります。雨が降ってから天気が回復すると、そこで開いた雄花から、雨の時に飛散しなかった花粉が大量に飛び出すことがあります。
さらに、一度建物の上や地面に落ちた花粉が、気温の上昇によって巻き上げられて、飛散量が大幅に増加することがあります。翌日でなく、朝に雨が止んで気温が上昇する場合でも、飛散量が増えるので、十分に気をつけましょう。

都市部の花粉症は、必ずしもその地域のスギの量に比例せず、広範囲からの花粉飛来が原因であるという点が重要です。スギ花粉は「飛距離は100Km超とロングフライト」することが知られています。

地域別の飛散ピーク予測

スギ花粉の飛散開始時期は地域によって異なり、一般的に九州地方から始まり、徐々に北上していきます。ピーク時期も地域差があります。スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ピークが始まります。

以下に、地域別のスギ花粉飛散ピーク予測(主要都市)を示します。

地域/都市スギ花粉のピーク時期ヒノキ花粉のピーク時期(参考)
福岡2月下旬~3月上旬3月下旬~4月上旬
大阪3月上旬~中旬4月上旬~中旬
東京3月中旬~下旬4月上旬~中旬
東北3月上旬後半~3月下旬-
北陸3月上旬後半~3月中旬4月上旬~4月上旬前半
東海3月上旬~3月中旬前半3月下旬後半~4月上旬前半
近畿3月上旬~3月中旬前半3月下旬後半~4月上旬
中国3月上旬3月下旬後半~4月上旬前半
四国3月上旬~3月中旬前半3月下旬後半~4月上旬
高松3月上旬~中旬3月下旬~4月上旬
広島3月上旬~中旬4月上旬
名古屋3月上旬~中旬4月上旬~中旬
金沢3月上旬~下旬-
仙台3月中旬~下旬-

出典:日本気象協会

花粉症を軽くするコツ:今日からできる対策ガイド

花粉症の症状を和らげるためには、花粉との接触をできるだけ減らすことが重要です。
ここでは外出時、帰宅後、そして室内環境の3つに分けて、花粉症対策のヒントをご紹介します。

基本の「き」:花粉を避ける!

外出時の工夫

  • マスクの着用
    顔にフィットするマスクを装着しましょう。
    通常のマスクでも約70%、花粉症用のマスクでは約84%も吸い込む花粉の量を減らせます。
  • メガネの着用
    花粉症対策用のメガネもありますが、通常のメガネでも未装着時に比べて目に入る花粉の量を減らす効果があります。コンタクトレンズは目を刺激し、アレルギー性結膜炎を悪化させる可能性があるため、花粉の多い時期はメガネへの切り替えが推奨されています。
  • 外出時間帯の調整
    花粉飛散の多い時間帯(一般的に昼前後と夕方)の外出はできるだけ避けましょう。
  • 服装選びのポイント
    花粉が付きにくく、肌の露出が少ない服装を心がけましょう。
    特にウール素材の衣服は花粉が付着しやすく、奥まで入り込んでしまうため避けた方が良いとされています。
    綿やポリエステル、デニム素材など、表面が滑らかな素材を選ぶのがおすすめです。
  • 帽子の着用
    帽子をかぶることで、頭への花粉の付着量を減らす効果が期待できます。
    髪の毛に入り込んだ花粉は洗っても落ちにくく、そのまま寝具に付着してしまい、寝ている間も不快な症状が続く恐れがあるため、夜、症状が強くて眠れないという方は、一度帽子をかぶる習慣を試してみることをおすすめします。

家の中に「持ち込まない」工夫!

帰宅時の習慣

  • 花粉を払い落とす
    帰宅時は、室内に花粉を持ち込まないよう、玄関に入る前に服に付いた花粉をしっかり払い落とすようにしましょう。特に、手で肩から裾にむかって払う習慣をつけると良いでしょう。
  • 足元にも注意
    意外と見落とされがちなのが、足元から舞い上がる花粉です。
    飛散した花粉は、空中で舞っている量より、地面(特にアスファルトやコンクリート)に落ちている量のほうが多いのです。家に入る前には、上着とともに、足元の花粉を払う習慣をつけることが大切です。
  • 手洗い・うがい・洗顔・洗髪
    帰宅後は、手洗い、うがい、洗顔、洗髪をしっかり行い、体に付着した花粉を洗い流しましょう。鼻うがいは水道水ではなく生理食塩水を体温程度に温めて使用し、目は少し冷やして行うことが推奨されています。

室内環境の管理

  • 換気方法の工夫
    換気をする際は、窓を全開にせず、10cmほど開けて時間を短くしましょう。
    レースのカーテンをすることで、室内に入る花粉の量を抑えることができます。
  • こまめな掃除
    室内には、外から持ち込まれた花粉や換気時に入った花粉が残っています。
    こまめな掃除機がけや、カーテンの定期的な洗濯で花粉を減らしましょう。
  • 換気システムの活用
    24時間換気システムが設置されている場合は、花粉に対応した給気口フィルターを試してみるのも良いでしょう。
  • 洗濯物・布団の外干しを控える
    花粉飛散の多い時期は、洗濯物や布団の外干しを控え、室内干しや乾燥機を活用しましょう。

薬は早めに用意しておこう

毎年花粉症の症状が出る方は、本格的な花粉飛散開始の1週間前までには、医療機関や薬局を活用してお薬を準備し、使用を開始することが強く推奨されます。飛散開始時期や症状がごく軽いときから薬の使用を開始することで、症状を抑えられることが分かっています。

まとめ

スギはアレルギー症状を引き起こす厄介な木ですが、日本の気候に合っていて、加工しやすいため、古くから私たちの暮らしを支えてくれるだけではなく、信仰の対象として文化的にも大切な樹でした。

最近では、花粉の少ないスギの開発や、適切な森林管理、さらには花粉症治療法の進歩など、花粉症問題への取り組みは着実に進んでいます。私たち一人ひとりができる対策と、社会全体の取り組みが合わさることで、きっとスギと良い関係が結べるはずです。

あなたも、スギ花粉が飛ぶ季節に、古来から信仰されてきた杉に思いを馳せて、少しだけその香りを感じてみませんか? 嫌だった花粉の季節もきっとすこし気分が和らぐはずです。
ぜひ、アレルギーの先にあるスギの姿を、ぜひ感じてみてください。

参考文献

日本杉の種類と用途、ヒノキとの違いは?: | ロイヤルホームセンター公式オンラインストア「ロイモール」 (roymall.jp)
杉(スギ)の種類 | 一枚板比較 (solidwood.jp)
スギ - Wikipedia
空を舞う スギ花粉の秘密 | ミクロワールド | NHK for School
マツ科(まつか)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)
鮮新世 - Wikipedia
原色日本植物図鑑 保育者

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