エノキダケ:奥深い魅力を持つきのこ
あなたはエノキダケお好きでしょうか?
真っ白な傘が愛らしく、さっと火を通せば食べられるのでみそ汁の具とか和え物などに便利に使えます。
えのきだけは、鍋料理や味噌汁など、日本の食卓に欠かせないきのこですが、その奥深い魅力はまだまだ知られていません。
ここでは「冷蔵庫にエノキダケがあまって困る」ということがないように、エノキダケの魅力と簡単ダイエットレシピや保存方法もたくさんご紹介します。
さあ、あなたも魅惑なキノコワールドへようこそ!
エノキダケの歴史
エノキダケは、古いエノキの木や他の広葉樹の生えるキノコです。

榎の木は日本に昔から生えている樹で、その根元に生える食べられるエノキダケはキノコは、大昔から人々に食用として利用されてきました。
エノキダケの原種と特徴
実は野生のエノキダケ(Flammulina velutipes)の色は茶色なんです。

私たちの知っているあのエノキダケの白は、実は人工栽培によって造られました。
その昔、長野のキノコ栽培業者が、茶色のエノキダケの茎の部分を長くするために紙を巻き付けていましたが、それを光の少ない環境でもやしのように栽培してみたら、茎の長くて白いキノコができて大ヒットしました。そのため今では白いエノキダケがたくさん出回るようになったのです。
きのこで菌活!おいしいきのこはホクト
野生種のキノコは、他の植物と同じように太陽からの過剰な紫外線をあびないように、紫外線吸収色素であるカロテノイドやメラニン、フラボノイドなどで身を守っています。
野生のエノキダケもなかなか立派でおいしそうですね。

食物繊維のキノコキトサン
エノキダケは、低カロリー食材で、食物繊維を豊富に含んでいるためダイエット食材として最適です。また風味もよく栄養価も高いので健康効果が期待されています。
特に注目したいのはエノキダケに含まれる「キノコキトサン」という食物繊維です。
キノコキトサンは、腸内で善玉菌を増やしたり、内臓脂肪の減少や脂質の吸収抑制する効果があると言われ注目されています。
肥満モデル動物におけるキノコキトサンの抗肥満効果

キノコキトサンを効率よくとるために
キノコキトサンを効率良く摂取するには、エノキダケの細胞壁を壊すことが重要です。
キノコキトサンはエノキダケの固い細胞壁に包まれているため、そのまま食べても吸収されにくいです。そのため、エノキダケを細かく刻んだり、冷凍したりすることで細胞壁が壊れ、栄養成分の吸収率が高まります。
例えば、エノキダケを細かく刻んでミキサーにかけ、冷凍して氷状にした「えのき氷」がおすすめです。これを料理に加えて日常的に摂取することで、キノコキトサンを効率的に摂ることができます。
免疫力調整効果が証明されたえのき氷。毎日使って健康に|農畜産物|長野県のおいしい食べ方
また、サプリメントとしても市販されており、手軽に摂取することも可能です。
食事の30分ほど前に摂取すると、脂質の吸収抑制効果がより期待できます。

エノキダケ簡単レシピ
エノキダケは価格も手頃で、どんな料理にも合わせやすい万能食材です。
ここでは、手軽に作れる定番の簡単レシピをいくつかご紹介します。
1. えのきの豚肉巻き
豚肉のうま味とえのきのシャキシャキとした食感が楽しめます。
材料もエノキダケと肉だけなので、その時安かった肉を使って試してみてください。
材料
- えのき:1袋
- 豚肉:だいたい8枚くらい
- 片栗粉:大さじ1
- 醤油、みりん、酒:各大さじ1
作り方
- えのきはおがくずが付いていないところギリギリで切り落とし、8等分に分けます。
- 豚肉を広げ、えのきをのせてくるくると巻きます。
- 全体に片栗粉を薄くまぶします。
- フライパンに油をひき、巻き終わりを下にして並べ、中火で焼きます。
- 全体に焼き色がついたら、混ぜ合わせた調味料を加え、煮絡めます。
お好みで刻んだシソを添えてもいいですね。

2. えのきと卵の中華スープ
とろとろの卵とえのきの食感が美味しい、優しい味のスープです。
材料
- えのき:1/2袋
- 卵:1個
- 水:2カップ
- 鶏ガラスープの素:小さじ2
- 醤油:小さじ1
- ごま油:少々
- お好みでネギやわかめ
作り方
- えのきはおがくずがが付いていないところで切り落とし、2~3cmの長さに切ってほぐします。
- 鍋に水と鶏ガラスープの素、醤油を入れて火にかけ、煮立ったらえのきを加えます。
- えのきがしんなりしたら、溶き卵を回し入れ、卵がふんわりと固まったら火を止めます。
- 最後にごま油を垂らして完成です。
このほかにもみそ汁でも、中華スープでもお好きなスープにエノキダケを入れて楽しんでください。
3. 自家製なめたけ
電子レンジで簡単に作れる、箸休めやおつまみにぴったりのレシピです。
材料
- えのき:1袋
- しょうが:5g
- 酒:大さじ2
- みりん:大さじ1
- しょうゆ:大さじ1
作り方
- えのきは石づきを切り落とし、ほぐして耐熱容器に入れます。
- さらに酒、みりん、しょうゆ、しょうがを加えます。
- ふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで3分ほど加熱します。

ほかほかご飯にかけるだけです。
どのレシピも短時間で手軽に作れるので、ぜひ試してみてください。
エノキダケを無駄なく食べよう
エノキダケはおがくずが付いていないところは全て食べられます。
根元のくっついている部分も食べられますので、ギリギリを切ってもっちりとして食感を楽しんでください。
身近なエノキダケにも、意外な歴史と素晴らしい健康パワーが隠されていました。
今日の夕食には、ぜひエノキダケの簡単レシピを取り入れて、その美味しさとパワーを実感してみてください。これからも、何気ない食材に隠された魅力を、一緒に探していきましょう!
参考文献
エノキタケ - Wikipedia
えのきのこは翡翠のように白いのに、なぜ「金」という姓なのですか? _Hiraizumiキノコネット (pqjgw.com)
キノコ栽培 - Wikipedia
【唐代の薬物・方剤学者】陳藏器 | 鍼灸治療家集団,一鍼堂 (1sshindo.com)
えのきたけはがんを抑え、予防する。エノキタケ制がん研究リポート|社団法人 長野県農村工業研究所 (nagano-nkk.jp)
β-グルカンの物性解析における β-グルカン結合性タンパク質の応用 (jst.go.jp)
エノキタケ抽出物のラット初代前駆内臓脂肪細胞での脂肪蓄積抑制効果 (jst.go.jp)
ラットの成長および腸内菌叢に及ぼすエノキタケ投与の影響 (jst.go.jp)
食材大全 NHK出版