真っ赤に熟したいちご
まるくて、少し先っぽがとがっていて、あたまの緑色のぼうしがとってもカラフルです。
お祝いの時には気分を華やかにしてくれるし、落ち込んだ時にも、甘酸っぱいいちごを食べるとちょっと元気がでますよね。
それに、少し洗っただけで簡単に食べられるのもうれしいです。
実は、かわいらしいいちごには、美容に良い栄養がたっぷり含まれていることはご存じでしたか?
ここでは、そんないちごを徹底解説します。
ぜひご覧ください!
知りたい!いちごの美容成分
いちごは美味しくて見た目もとっても可愛らしいんですが、それだけではありません。
いちごには美容に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。
ビタミンCが豊富
いちごは「ビタミンCの王様」と呼ばれるほど、ビタミンCが豊富です。
下のグラフをご覧ください。
「いちご多くないじゃん?」
そうなんです、いちごは黄色いキウイと比べると、ビタミンCは多く含まれていません。
「じゃあキウイたべたほうがいいじゃん・・・」
そうなのですが、ちょっと待ってください!
ビタミンCが多い果物の2番手はレモンです。
レモンも良いのですが、いちごと同じ量を食べようとしたら、ちょっと体がびっくりしそうです。
3番手は柿です。
柿は皮をむくのがちょっと手間ですが、たくさんの量を食べられます。
けれど、秋にしか出回りません。
そのため、いちごとタイミングが違います。
そして5位がみかんです。
みかんはいちごと同じ冬に出回る果物ですが、ビタミンCはいちごほど取ることができません。
このグラフで見てきたように、ビタミンCだけを取るなら、果肉が黄色いキウイがお勧めなのですが、実は、いちごにはビタミンC 以外の栄養が含まれていてそのバランスが良いのが、いちごの最大の魅力なのです。
ちなみに、ビタミンCは、お肌のハリや弾力を保つコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。
メラニンの生成を抑える働きもあるため、シミやくすみの予防にも効果が期待できます。
さらに、ビタミンCのもつ抗酸化作用によって活性酸素からお肌を守り、老化を遅らせる効果も期待できるので、上手にビタミンCを取っていきたいですね!
抗酸化作用のあるポリフェノール
ところで先ほど話題に合った、いちごに含まれるビタミンC以外の栄養とはなんでしょうか?
それは、あのいちごの赤い色に秘密があります。
それは、いちごには「ポリフェノール」という赤い色素をもっています。
それがあのいちごの赤い色をつくっています。
ポリフェノールは植物が太陽の光から自分の身を守るために持っているもので、私たちの目にはカラフルな赤や紫、黄色などに見えるものが多いです。
そのなかでも、いちごには「アントシアニン」や「エラグ酸」などのポリフェノールが多く含まれています。
ポリフェノールと聞くと「ブルーベリー」に多いことをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ブルーベリーに含まれているポリフェノールといちごに含まれているポリフェノールの働きはちょっと違います。
いちごに多く含まれているのは、「ペラルゴニジン」という種類のアントシアニンで、抗酸化作用(体をサビから守る働き)に加えて、抗腫瘍作用や抗肥満作用などが期待されています。
ブルーベリーに多く含まれているアントシアニンは、「デルフィニジン」や「マルビジン」という種類のアントシアニンです。
抗酸化作用に加えて、目の健康を保つ働きや、炎症を抑える働きなどが期待されています
また、いちごには「エラグ酸」と呼ばれるポリフェノールも含まれています。
エラグ酸には、シミやくすみの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きがあり、コラーゲンの減少を抑える働きがあります。ブルーベリーには、エラグ酸がほとんど含まれていません。
このように、いちごにはアントシアニン以外にも、ビタミンCやエラグ酸など、さまざまな抗酸化物質が含まれています。これらの成分が体の中でお互いに作用しあって、より高い抗酸化効果を発揮すると考えられています。
つまり、サプリメントなどで、ビタミンC などを単独で摂取するよりも、いちごとして食べることで、より高い美容効果がでるのです。
いちごの健康への効果
もちろんいちごには、美容だけではなく健康への効果がある栄養もたくさん含まれています。
特にビタミンC、葉酸、ペクチン、アントシアニン、キシリトールなど、健康維持に役立つ栄養素が豊富です。
これらの栄養素がもたらす健康効果について、詳しくみていきましょう。
1. 美肌効果と風邪予防
先ほどお話ししたように、いちごは「ビタミンCの王様」とも呼ばれるほど、ビタミンCが豊富です。
ビタミンCは、皮膚や血管の老化を防ぐ抗酸化作用の働きがありますが、肌の老化を防ぐだけではなく、免疫力を高めて風邪などへの抵抗力を強める働きもあります。
また、皮膚のシミやしわを防ぐ効果もあり、これは美容だけではなく傷や炎症の治りをよくする効果も期待できます。
2. 貧血予防
いちごには「葉酸」が多く入っているのもうれしい特徴です。
葉酸は、赤血球の生成に不可欠なビタミンです。不足すると貧血を引き起こす可能性があるので貧血予防のために、特に若い女性や妊婦さんに積極的に取っていきただきたい栄養素です。
3. 血糖値の上昇抑制と生活習慣病予防
また、いちごには、食物繊維の「ペクチン」が含まれています。
「ペクチン」は、水溶性食物繊維の一種で、血糖値の急な上昇を抑える働きがあります。
また、コレステロール値を下げたり、腸内環境を整えたりする効果も期待でき、生活習慣病の予防や改善に役立ちます。
4. 虫歯予防
いちごを食べた後、爽やかな甘みが口の中に広がりますよね。
実は、この甘みの成分の一つに「キシリトール」が含まれているんです。
いちごにはキシリトールが多く含まれているので、口の中の健康にも役に立ちます。
キシリトールってどんなもの?
キシリトールは、自然界に存在する糖アルコールの一種です。
甘みが砂糖とほぼ同じで、カロリーも砂糖の約70%と低いため、ダイエット食品などにも利用されています。
キシリトールが虫歯予防に効果的な理由
なぜ、キシリトールは虫歯予防に役に立つのでしょうか?
それはこんな理由があるのです。
- 虫歯菌の栄養源にならない
虫歯菌は、砂糖を食べて酸を作り出し、歯を溶かして虫歯を作ります。
けれど、キシリトールは虫歯菌の栄養源にならず、酸を作り出すのを抑制します。 - 唾液の分泌を促進
キシリトールは、口の中に含むと唾液の分泌を促します。
唾液には、口の中を中和し、歯を保護する働きがあるため、虫歯予防に繋がります。 - 再石灰化を促進
唾液中のカルシウムが歯の表面に沈着し、歯の表面を修復する「再石灰化」を促進する働きがあります。
いちごを食べると歯にもよいのは、うれしいですね!
いちごの効果的な食べ方
いちごをもっと美味しく、そして栄養を最大限に活かしたいですよね!
いちごの栄養を効果的に摂るための食べ方について、いくつかご紹介します。
いちごの栄養を効果的に摂るためのポイント
- ヘタはつけたまま洗う
いちごの栄養はヘタの近くに多く含まれています。
洗う際は、ヘタをつけたまま優しく洗い、ヘタを取り除く際は、包丁を使わずに手でそっと引き抜きましょう。 - 旬のいちごを選ぶ
旬のいちごは栄養価が高く、甘みが強く、香りが豊かです。
旬のいちごを味わうことで、より多くの栄養を摂取できます。 - 他の食材と組み合わせる
いちごは、他の食材と組み合わせることで、栄養価がアップしたり、新たな美味しさが発見できたりします。- ヨーグルト:ビタミンCの吸収率を高めることができます。
- 牛乳:アントシアニンの吸収率を高めることができます。
- ナッツ:健康的な脂質を補い、満足感も高まります。
- グラノーラ:食物繊維を豊富に摂ることができます。
- 加熱調理もおすすめ
ジャムやコンポートなど、加熱調理することで、いちごの甘みが凝縮され、別の味わいを楽しむことができます。 - 冷凍保存も有効
いちごの旬は短いので、冷凍保存しておけば、いつでも美味しく食べられます。
収穫直後に冷凍すれば、栄養素の損失はほぼ抑えられ、しかも冷凍による細胞の破壊によって腸での吸収が高まるためお勧めです。
いちごを使ったレシピ例
- いちごヨーグルト
いちご、ヨーグルト、グラノーラを混ぜるだけ。簡単で栄養満点な朝食にぴったりです。 - いちごミルク
牛乳といちごをミキサーにかけるだけ。濃厚な味わいが楽しめます。 - いちごジャム
いちごを砂糖と煮詰めて作る。トーストやパンケーキにぴったりです。 - いちごスムージー
いちご、バナナ、ヨーグルトなどをミキサーにかけるだけ。手軽に栄養補給できます。
いちごをもっと楽しむために
さて、ここまでいちごの美容効果について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
いちごの美容効果を最大限に引き出すには、やはり生のいちごを食べるのが一番ですが、たまには気分転換に、いちごサワーでリフレッシュするのもおすすめです。
グラスに注いだいちごサワーは、見た目も可愛らしく、飲む前から気分が上がります。
さらに、炭酸で割れば、より爽快感がアップして、きっと日々の疲れも癒されるはずです。
いちごサワーは、アルコールの力だけでなく、いちごの持つ美容成分も同時に摂取できる、一石二鳥の飲み物です。炭酸で割れば、より爽快感がアップし、暑い日にもぴったり。
ぜひ、美容と美味しさを両立した、特別な時間を過ごしてみてくださいね。
参考文献
イチゴ - Wikipedia
野菜が決めて栄養のコツ 柴田書店
食材大全 NHK出版