初夏の代名詞 キビタキ
キビタキは春になると日本全国に渡ってくる美しい鳥です。
キビタキというちょっと不思議な名前の由来は、鳥の仲間の分類の中の「ヒタキ科」という仲間であること、そして雄の体が黄色い特徴があるということで、黄色い+ヒタキでキビタキという名前になりました。
キビタキは冬には見られず、春に渡ってくるのを待つしかありません。
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渡ってくるってどういうことニャー
キビタキは、10㎝ほどの大きさの鳥ですが、春になると繁殖のため、日本列島とサハリン、朝鮮半島、中国東北部などで子育てをして、冬になるとまた再びフィリピン、ボルネオ、スマトラ、ジャワ島などの東南アジアまで飛んで帰り越冬します。
日本に渡ってくるのは4月中旬頃で、5月から7月にかけて子育てを行います。8月下旬から9月にかけて南下を開始し、10月中旬から11月にかけて越冬地に到着します。
その地球規模の規模の移動距離は、なんと6000km にもなります。
ちなみに6000キロメートルがどのくらいの距離かというと、ちょうど日本が沖縄から北海道まで 3000km ですので、その倍の距離を、地図もないのに、あの小さな体、あの小さな羽だけで渡ってきます。
なぜ、渡ってくるの?
キビタキは東南アジアで冬を過ごしています。
東南アジアなら常夏なので、そのまま留まって繁殖した方が、わざわざ危険を冒して北の方まで飛んでくる必要はないように思います。
なぜ、小さなキビタキが危険を冒して渡りをするのでしょうか? それには以下のような理由が考えられています。
- 餌の種類と量
東南アジアには一年中虫がいるとはいえ、種類や量は日本と大きく異なります。キビタキの主要な餌となる昆虫は、日本の方が種類が多く、個体数も多い傾向があります。
特に、キビタキが子育て期に必要とする大型の昆虫は、東南アジアでは少ないと考えられています。 - 繁殖に適した環境
東南アジアは、キビタキにとって繁殖に適した環境とは言えません。
キビタキは、落葉樹林や針葉樹林などの涼しい環境で繁殖します。東南アジアの熱帯雨林は、キビタキにとって暑すぎ、湿度が高すぎます。また、東南アジアにはキビタキの巣を襲う捕食者も多く存在します。 - 競争
東南アジアには、キビタキと生態的に似た鳥類が多く生息しています。
これらの鳥類との競争を避けるためにも、キビタキは日本へ渡ってくるのではないかとも考えられています。 - 長距離移動のメリット
長距離移動はエネルギーを消耗しますが、キビタキのような小型の鳥にとってメリットもあります。長距離移動することで、広い範囲の餌場や繁殖地を利用することができます。また、長距離移動することで、病気や害虫などのリスクを分散することができます。 - 本能
キビタキの渡りは、何万年もの間受け継がれてきた本能と考えられています。東南アジアで冬を過ごせる環境があっても、キビタキは本能的に日本へ渡ってくるのです。
キビタキが危険を冒して海を渡ってくるのは、複数の要因が絡み合っていると考えられ、実は、まだ良く分かってはいないのです。
けれど、キビタキが渡るのは、食料確保と繁殖の成功を最大化するための進化的に選択された戦略であり、その過程で生じる危険を冒す価値があると判断されているからこそ、こうして毎年私たちはキビタキに日本で出会うことができるのです。
キビタキに会いましょう
近に小さな森はないでしょうか?
代々木公園や井の頭公園、多摩霊園のようなところでも来ています。有名な秋ヶ瀬公園、大阪城公園、東山動植物園、などの都会の森のオアシス的なところにも来てます、ぜひ探してみて下さい。
手軽に合うためにまず観察会に参加するといいですね、市の広報で探してみましょう!たいていバードウォッチングとか野鳥観察会とか開催しています。
キビタキは12㎝ くらいの小さな鳥なので、木のかげに隠れたり、すばしっこく動いたりすると見えなくなってしまうので、慣れた人に探してもらうと良いでしょう。
美しいキビタキに出会って、ぜひ鳥の美しさに出会ってください。
キビタキは、私たちを美しい姿と声でやさしく癒してくれるでしょう。
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