ベッコウガサとは、笠の形をした貝の仲間の名前です。
昼間は岩の上に平たい体をくっつけて、夜になると岩のまわりに生えている海藻を食べに出かけます。
岩にくっついている方が貝の足の部分で、その足を使って岩に非常に強く貼りついています
ベッコウガサの殻は、固いのでよく海岸に打ち上げられています。
運よく拾えたら裏返してみてください。
その貝内側が名前の由来でもあるべっこう色になっているのが分かります。
外側から見たベッコウガサはこげ茶色の縞々模様の平たい貝です。
下の写真を見ると、殻の中心部分が丸く灰色っぽくなっているのが分かるかと思います。
これは、波に当たりやすい頂上部分が洗われて、丸く薄くなってしまったものです。
この殻の薄くなったところを裏から見るとべっこう色に輝いています。
ベッコウガサは、海岸に行くと見やすい位置にくっついているので探しやすいです。
ぜひ探してみてくださいね!
海の笠 べっこうがさ
軟体動物門
腹足類
カサガイ目
ヨメガカサガイ科
べっこうがさの特徴
ベッコウガサは、日本を含む東アジア地域の沿岸に生息するカサガイ科の巻貝の一種です。
外見
形は丸い楕円形で4センチ前後。
中央から少し後ろの偏ったところが一番高くなっています。
殻の表面には頂上から放射状に黒い筋があり、でこぼこした筋があります。
このでこぼこのせいで殻が固いので、よく波打ち際に転がっています。
生息地
- 分布:日本の沿岸、韓国、中国などの東アジアの浅海域に広く分布しています。
- 環境:潮間帯の岩礁や海藻の多い場所に生息し、波の影響を受けやすい環境に適応しています。
生態
- 食性:主に藻類を食べます。岩の表面に付着した微小な藻類を削り取るようにして摂食します。
- 繁殖:春から夏にかけて繁殖期を迎え、卵を海中に放出して外部受精を行います。
べっこうがさの表側のいちばんとんがっているところは、波によく当たるため薄くなっています。
裏から見るとその薄くなった部分が明るいべっこう色に透けていてとてもきれいです。
ぜひ、宝石のようなベッコウガサのきれいな貝殻を見つけてみてください。
参考文献
日本動物大百科 平凡社
磯の生き物図鑑 トンボ出版