道を歩いていると、ブロックやアスファルトの隙間に小さな植物が生えていることがありますよね?
隙間にはコケも生えていますが、その中に苔のような植物「ツメクサ」という植物が生えていることもあります。
雑草と思われがちなツメクサですが、ちょっとツメクサをみてください。
カギのように曲がった葉っぱや、花の時期になると美しい花を咲かせる、かわいらしい小さな植物であることが分かります。
ぜひ、あなたもツメクサと友達になって、その強さを分けてもらいませんか?
ツメクサ
ツメクサは下のような写真のように、ブロックの隙間などの小さな隙間にも生えることのできる丈夫な植物です。
この植物の1㎝くらいしかない葉っぱをよく見ると、猫や鳥の爪のように先の方が曲がっています。
その特徴から、この植物の名前はツメクサになったと言われています。
ツメクサの特徴
ツメクサは、ナデシコ科ツメクサ属に分類される一年または場所によっては越年草の小さな植物です。
- 草丈は2~15cm程度と小さめです。
- 葉は針のように先が細く先がとがって、対生します。
- 花は白色で、5枚の花びらが付きます。
花やガクには細かい線毛が生えています。 - 種には卵型で細かい突起が種全体につきます。
- 道端、畑、公園などによく見られる
ツメクサとシロツメクサの違い
ツメクサとシロツメクサは同じツメクサという名前がついていてわかりにくいですが、別の植物です。
シロツメクサの名前の由来は、江戸時代に外国からの輸入品を送ってくるときに荷物に詰め物としてツメクサが使われていたため「シロツメクサ」つまり「白い詰め草」という名前になっています。
反対に、ツメクサは猫などの動物の爪と似ているということで「ツメクサ」つまり「白い爪草」というわけです。
それぞれの違いをまとめました。
- 葉
- ツメクサ:線形または針形
- シロツメクサ:三つ葉
- 花
- ツメクサ:白色、5弁花
- シロツメクサ:白色または桃色、10弁花
- 生育場所
- ツメクサ:道端、畑、公園など
- シロツメクサ:牧草地、芝生など
ポラーノの広場とツメクサ
宮沢賢治の「ポラーノの広場」で使われている、「ツメクサの灯」のツメクサはここで紹介したツメクサではなくシロツメクサのことです。
ツメクサの観察しよう!
ツメクサの観察を楽しみましょう!
観察をより一層楽しむためのヒントをいくつかご紹介します。
観察のポイント
- 生えている場所
道端、公園、空き地など、身近な場所で爪草を見つけることができます。
どんな場所でよく生えているのか、観察してみましょう。 - 形
小さな花の形、葉っぱの形、茎の様子などをじっくり観察してみましょう。
ルーペを使うと、より細かい部分まで見ることができます。
ただし、花の時期は3月から7月です。
時期を外すと花は咲いていないので注意しましょう。 - 色
花の色、葉っぱの色、茎の色など、様々な色合いの変化を楽しんでみましょう。 - 成長
同じ場所に何度も足を運び、ツメクサがどのように成長していくのかを観察してみましょう。 - 他の生き物
ツメクサの周りには、他にはどんな植物や小さな生き物がいるのか観察してみましょう。
観察をもっと楽しくするアイデア
- スケッチ
見たものをスケッチブックに描いてみましょう。
色や形を正確に描くことで、観察力が養われます。 - 写真
スマートフォンなどで写真を撮影して、後で見返してみましょう。 - 標本
押し花にして、ノートに貼ってみましょう。 - 図鑑
図鑑で爪草について調べてみましょう。 - 記録
観察したことをノートに記録してみましょう。
観察する時の注意点
- 持ち主の許可
私有地での観察は、必ず持ち主の許可を得てから行いましょう。 - 自然保護
観察する際は、植物を傷つけたり、持ち帰ったりしないようにしましょう。 - 安全
危険な場所での観察は避け、安全に配慮しましょう。
小さなツメクサから元気をもらう
人々の行き交う道端の隙間でも、アスファルトのちょっとした間でも、人知れずひっそりとツメクサは花を咲かせます。
あなたが、毎日歩く道にもツメクサが咲いているかもしれません。
ぜひ、探してみてください。
きっとそのひたむきな姿に目を奪われるはずです。