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複利ってなんだろう?

複利ってなんだろう

投資の話をすると、どの人も「短期ではなく長期で」と言います。長い期間で投資を行うことがどうして良いのかには、いくつかの理由があります。その理由の一つに「複利の力」が効く、ということがあります。

「複利の力」は時間さえあればだれでも使える力です。その時間とは少なくとも10年以上必要です。時間が長ければ長いほどその力が効いてきて30年だとかなり大きくなります。
ここではそんな「複利」について分かりやすく解説します。結論から言うと、投資は一回始めたらじっと寝かしておくのが得になるけれどそれは絶対じゃない、ということです。

複利とはなんですか?

もし、長い時間をかけてお金を増やしていこうと考えたとき、「複利の力」は理解しておきましょう。

「複利」とは、利息を元本に組み入れ、その元本に対して再び利息が計算される方法です。

例えば、手元の10万円を年利5%で預けたとします。
1年後 10万円+5,000円=105,000円
2年後 105,000円+5,250円=110,250円
3年後 110,250円+5,512円=115,762円
4年後 115,762円+5,788円=121,550円
5年後 121,550円+6,077円=127,627円

10年後 162,886円
20年後 265,330円
30年後 432,194円

複利では、計算のもとになる元本に毎年利息分もプラスされていくので、時間がたつほど複利の効果が大きくなります。

「複利」という利息の付き方に対して「単利」という付き方があります。「単利」は、元本だけに金利がつきます。たとえば国債や社債などは「単利」で計算されます。もしもあなたが毎年付く利息分を毎年引き出したとしたら「複利」で計算されている商品でも「単利」と同じことになります。

単利ではどうなるのかみてみましょう。単利では5,000円が毎年ついてきます。
10年後 150,000円
20年後 200,000円
30年後 250,000円  

10年程度では、あまり差はありませんが30年後だと18万円の差がついています。

単利で利子が付くのは例えば国債や社債などです。毎年決まった利子が付きます。
もしも、あなたが利息分を元本に組み入れず、毎年引き出したとしたら「単利」になります。元本が変わらなければそこにつく利息の付き方も変わらないからです。このような投資の仕方ももちろんありです。

投資の話になると長期をお勧めされるのは、利息を再投資して元本を大きくして「複利の力」を味方にすれば、初期投資金額が低くても大きく増やすことが出来るためなのです。けれど、これは計算上そうなっているだけです。必ずこのような理想的な流れになるわけではありません。

長期投資は絶対ではない

長期投資は、一般的に短期投資よりも安定した利益を得られると言われています。けれど長期投資でもうまくいかないことはあります。

その主な原因は、以下の2つです。

  • 経済の変化
    長期投資では、経済の変化に応じて資産の価格が変動するリスクがあります。例えば、1991年から始まったバブル崩壊や2009年のリーマンショックのような金融危機が発生した場合、株式や債券などの価格が大幅に下落する可能性があります。急な下落に耐えられず投資をやめてしまうと長期のメリットが受けられません。
  • 業績悪化
    個別株は長期持っていてもその価値がなくなる可能性があります。個別株はその企業の業績が悪化して回復に時間がかかったり、最悪倒産したりする可能性があります。そうなるとその株はすでに価値がなく長期間もっていたとしても得るものがありません。

長期投資はリスクを抑えるために有効な方法ですが、大きな経済危機や業績の悪化による株価の下落があるため、長期投資とはいってもリスクを必ず避けられるわけではありません。金融商品にはリスクの低いものや高いものがあります、自分がいつどのくらい必要でリスクはどのくらいなら許せるのか考えて選びましょう。

まとめ

複利について解説しました。
一般的に長期に渡って投資を続けることで複利の効果が期待できるので、投資は短期ではなく長期にした方が良いと言われています。もちろんそうなのですが、絶対ではありません。

特に気を付けたいのが新しい事業に挑戦しようとしている新しい企業です。はやりの技術を社名をつけていかにもこれから伸びていくように思われますが、その技術が成功するかしないかは、やってみなければ分かりません。新しい技術には投資家の多くが注目していて人気が高いこともよくあります。不当に評判の高い(買われすぎている)企業の株は要注意です。「長い目で応援していくんだ」という感覚でいると、売るタイミングがつかめずに、とんでもない目に合うかもしれません。

投資は普段の買い物よりもちょっと勉強が必要です。「投資にはリスクがつきもの」だからといって必要以上にリスクをとって大失敗したり、長期投資が有効だからといってダメな株をいつまでも握ってはいけません。

投資の勉強をして、買おうとしているものの値段が妥当なのかどうか、自分の力で判断できるようになって「金融リテラシー」を高めましょう!

参考文献

お金以前 土屋剛俊
複利と単利の違い - 高精度計算サイト (casio.jp)
「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)
経済学入門 ティモシー・テイラー

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