ぽれぽれ経済学

なぜ私たちは損をする?買い物で陥る情報の落とし穴

買い物で陥る情報の落とし穴

あなたは買い物しているとき、
「もしかして、この商品、本当はもっと安く買えたのかも?」とか
「このサービス、説明されていたほど良くない気がする…」
と感じたことはありませんか?

もしかしたらそれは、お店側が持っているその商品の情報と、あなたの持っている情報に差があることが原因かもしれません。

例えば、あなたはオンラインで中古のスマートフォンを買うとします。
売り手はそのスマートフォンのバッテリーの持ち、過去の修理歴、全体的な状態をよく知っています。
しかし、買い手であるあなたは、掲載されている写真と説明文しか知ることができません。

このように情報に差があることを「情報の非対称性」と呼びます。

でも、情報に差があったとしても、私たちには強力な武器があります。
それは「リサーチ」です。

少し時間をかけて購入前に調べることで、私たちは情報の偏りを減らし、より自分のニーズに合った商品を賢く選ぶことができます。

ここでは、なぜこの「情報の非対称性」が重要なのか、そしてさらに重要なこととして、情報収集によってどのように自分自身を守ることができるのかをご紹介します。
賢い消費者になるための第一歩を踏み出しましょう。

商品についての必要な情報が欲しい!

あなたは、欲しいものを選ぶときどのようにしていますか?
お店に行ったら、とっても良いものがあったので一目ぼれで選ぶ
自分に合ったものと出会うのは2度とないかもしれません、一瞬の出会いは大切ですよね?

でも、まずは商品について調べてみるという方も多いかと思います。
さまざまな商品を見て、自分のニーズに合ったものはどんなものなのか、確認するのではないでしょうか?

けれど、良く調べたつもりでも、商品を実際使ってみると自分のイメージと違っていた、という経験のある方は少なくありません。

なぜこんなことが起こるのでしょうか?

それは、商品についての情報が買い手側と、売り手側と違っていることから起こります。
それはまるで、シーソーの一方の端(多くの場合、売り手側)が、もう一方の端(買い手側)よりも重い情報という荷物を載せているような状態です 。

この情報の偏りは、お金が関わる多くの日常的な場面で見られます 。

重要なのは、単に情報の量が多いだけでなく、より適切で質の高い情報を持っている場合も含まれるということにあります。

情報の非対称性とは

先ほども触れたように「情報の非対称性」とは、取引を行う二者の間で、持っている情報に差がある状態のことです 。

これは経済学における重要な概念で、大企業間の取引から、私たちが毎日行う食料品の買い物まで、あらゆる種類の取引に影響を与えています 。  

この情報の不均衡は、取引において不利な状況を生み出す可能性があります。
より多くの情報を持つ側が、そうでない側を利用してしまうかもしれないからです 。

その結果、買い手は商品の価値よりも高い価格を支払ったり、期待外れの商品を買ってしまう可能性が高まります 。深刻なケースでは、買い手が警戒しすぎて買い物をしなくなるため、市場が機能不全に陥る可能性さえあります 。  

経済学者のジョージ・アカロフが提唱した「レモン市場」の例は有名です。

これは中古車市場における情報の非対称性を説明したもので、売り手は車の状態を知っていますが、買い手は知りません。その結果、質の悪い車(レモン)ばかりが市場に出回り、買い手は平均的な品質の車にしかお金を払おうとしなくなります 。

質の良い中古車の売り手は、買い手が支払おうとする価格では売却したくないため、市場から撤退してしまいます。質の良い中古車販売店がいなくなると、買い手は良い中古車を手に入れることがもっと難しくなってしまいます。

このように「情報の非対称性」は、市場の効率性を大きく損なう可能性があるのです 。

質の悪い「レモン」をつかむのではないかという恐れから、買い手は高品質な製品に対しても適正な価格を提示することをためらい、市場の歪みをさらに悪化させることもあります 。  

身近な買い物に見られる情報の非対称性の例

私たちの日常生活には「情報の非対称性」が、存在する場面がたくさんあります。
いくつか具体的な例を見てみましょう。

  • 中古車の購入
    すでに触れましたが、中古車市場は情報の非対称性の典型的な例です。
    売り手は車の状態、走行距離、過去の事故歴などを詳しく知っていますが、買い手は限られた情報と自分の目で見た状態だけで判断しなければなりません 。  
  • オンラインショッピング
    オンラインショッピングでは、実際に商品を手にとって確認することができません。
    商品の説明文や画像は売り手が提供するものであり、品質や機能について、売り手の方が買い手よりも多くの情報を持っている可能性があります 。

    オンラインショッピングの手軽さの裏側には、購入前に得られる情報が限られているという側面があるのです。  
  • 食品の購入
    食品の生産者や販売者は、食品の原産地、原材料、製造過程について、消費者よりも多くの情報を持っています。食品の安全性や品質に関する消費者の懸念は、この情報の差から生じることがよくあります 。

    食品業界はサプライチェーンが複雑であり、消費者が品質を直接確認することが難しいため、特に情報の非対称性が顕著になりやすいと言えます。  
  • 不動産の賃貸
    家主は、物件の隠れた問題点(雨漏り、騒音トラブルなど)を知っていることが多いですが、入居希望者は契約するまで気づかないことがあります 。 借主は雨漏りや洪水、停電といった問題は、入居後に初めて明らかになることもあり、賃料だけでなく修理費用まで負担することになりかねません。  
  • 医療サービス
    医師は診断や治療法について豊富な知識を持っていますが、患者はその専門知識を持つわけではありません。

    医療サービスは、有形の商品購入とは異なりますが、情報量の差が患者の健康に大きな影響を与える取引と言えるでしょう 。  

これらの例からわかるように、情報の非対称性は、私たちの身の回りの様々な買い物に潜んでいます。

それぞれの例において、売り手は通常、買い手には知り得ない商品の詳細や注意点を知っています。この情報の差が、買い手にとって不利な状況を生み出す可能性があるのです。

なぜリサーチが重要なのか:情報格差を埋めるために

このように、商品の情報が乏しい買い手である私たちは、自分のニーズに合わないものを買って損をしがちです。
そのようなことを避けるためにも、商品のリサーチはとても大切です。

買い物をする前にリサーチすることは、消費者としての力を高め、情報の非対称性に関連するリスクを軽減するための鍵となります 。リサーチによって、私たちは売り手の主張だけでなく、事実に基づいた情報に基づいて賢明な判断を下すことができるようになります 。
リサーチは、買い手に多くの知識を与えることで、売り手との力のバランスを変化させる力があります。  

リサーチをせずに買い物をすると、価格に見合わない商品を高額で購入してしまう可能性があります 。
また、すぐに壊れてしまったり、自分のニーズに合わなかったりする低品質な商品を買ってしまうかもしれません 。

その結果、後悔したり、返品や交換の手間がかかったりすることもあります 。複雑な製品やサービスの場合、リサーチ不足は経済的な損失や安全上のリスクにつながる可能性さえあります 。
リサーチを怠ることは、不満といったネガティブな感情や、経済的損失といった具体的なコストにつながるため、私たち消費者はリサーチを真剣に考えるべきです。  

賢い消費者になるために:実践的なリサーチのヒント

売り手と買い手の間にある、情報格差を埋め、賢い消費者になるためには、購入前に積極的にリサーチを行うことが重要です。

ここでは、具体的なリサーチの方法をいくつかご紹介します。

  • 製品仕様の確認
    売り手や製造業者が提供する製品の詳細や仕様を注意深く読みましょう。
    これにより、製品の機能、材質、性能などを理解することができます 。

    製品仕様は客観的な情報であり、買い手が自分の技術的な要件を満たすかどうかを判断するのに役立ちます。具体的な詳細情報を得ることは、情報の非対称性を減らすための基本的なステップです。  
  • ユーザーマニュアルの確認
    購入前にユーザーマニュアル(多くの場合、オンラインで入手可能)を確認することで、製品の動作方法、制限事項、潜在的な問題点などを知ることができます 。
    ユーザーマニュアルは、製品の説明だけでは明らかにならない重要な操作方法や安全に関するガイドラインを提供してくれます。製品の実際的な使い方を理解するのに役立つでしょう。  
  • レビューの確認
    実際に商品を購入して使用した他の顧客のレビューを読みましょう。
    商品の品質、性能、潜在的な問題点など、実際の使用感を知ることができます 。
    価格.com - 「買ってよかった」をすべてのひとに。 
    【楽天市場】口コミ・レビューで人気商品を探そう! | みんなのレビュー・口コミ 
    アットコスメ(@cosme)|日本最大のコスメ・化粧品の口コミ・ランキングサイト 
    などの信頼できるレビューサイトを参考にすることをおすすめします 。

    顧客レビューは、潜在的な買い手がより多くの情報に基づいて意思決定を行うのに役立つ、貴重で偏りのない意見や経験を提供します。

    ただし、一部のレビューは偽物であったり、偏っていたりする可能性があることに注意が必要です 。  
  • 価格比較サイトの利用
    複数の販売者の価格を比較して、最もお得な価格で購入できるようにしましょう 。
    マイベスト - おすすめ商品比較サービス 
    最安値.com - ネット通販の価格比較サイト 
    トリバゴ : trivago | 世界中のホテル料金を比較 & 格安予約
    などの人気のある価格比較サイトを利用することをおすすめです。

    価格比較サイトは、価格に関する情報の非対称性を減らし、買い手が費用対効果の高い選択をするのに役立ちます。これは、私たち消費者が、お金を節約するための簡単な方法です。  
  • 売り手への質問
    製品、状態(特に中古品の場合)、保証、返品ポリシーについて、遠慮せずに売り手に直接質問しましょう 。
    • 住宅のような高額な買い物をする場合は、主要な設備の状況、改築履歴、近隣の状況など、重要な質問をすることをおすすめします 。売り手との直接的なコミュニケーションは、情報のギャップを埋めることができますが、売り手の回答には偏りがある可能性があることに注意する必要があります。  
  • オンラインフォーラムやコミュニティの活用
    特定の製品や興味に関連するオンラインフォーラムやコミュニティは、貴重な情報源やユーザー体験の宝庫となる可能性があります 。

    2ちゃんねる掲示板へようこそ、また専門フォーラム、さらにはソーシャルメディアグループなどが、愛好家やユーザーからの洞察を提供してくれます 。

    これらのプラットフォームでは、消費者の生の声のが聴けて、公式レビューでは見つからないような製品の共通の問題点や賞賛点を知ることができるので積極的に活用したいですね。

このように、レビューや比較サイトなどを使って、幅広く情報を集めてください。
きっとこれらのサイトはあなたの買い物を助け、あなたの時間と大切な資産を守ってくれるでしょう。

まとめ

情報の非対称性について解説しました。

私たちは、自分にとって正しい判断をするために、買おうとする正確な商品の情報と、自分のニーズに合った特定の情報が必要です。正しい判断ができないと、私たちは不当に不利益を被ることになります。

正確な情報を消費者へ伝えることは、販売者側にとっても大切です。
もしも、販売者側が不当な販売によって、大きな利益を得たとしても、価格が非効率になったり、販売会社が過大評価されることになり、社内に不正が起きやすい土壌が生まれる場合があります。

「情報の非対称性」が存在する現代において、購入する前に時間をかけてリサーチすることは、消費者として最も賢明な行動の一つです。少しの手間をかけるだけで、質の悪い買い物を避け、お金を節約し、自分の選択に自信を持つことができるようになります。

次に、何かを購入しようとする際には、ぜひ「情報の力」を思い出してください。
少しのリサーチが、あなたを賢い買い物客にし、満足のいく購入体験を保証してくれるでしょう。

みなさんもリサーチを楽しんで、賢く買い物をしてくださいね!

参考文献

ティモシー・テイラー 経済学入門
レモン市場 - Wikipedia
情報の非対称性 - Wikipedia

免責事項

この情報は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に応じたアドバイスではないので、 重要な決定をする際には、専門家にご相談してください。

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