ぽれぽれ経済学

資本市場とはなんですか?

資本主義とは何ですか

「資本市場」とは、お金を貸したい人と借りたい人が出会う場所です。
なにかを始めようとするとき、お金がなければ何も始まりません。まとまったお金を足掛かりにして商売を始めるというきっかけづくりの場になっています。

そこで生まれたのが「利子」です。利子はとても大切な概念なのですが、抽象的でイメージしずらいです。日本では利子を悪いものと考える習慣はありませんが、西洋では長い間禁止されてる国がありました。

そんな分かりにくい「利子」をもつ資本市場ですが、世の中のお金の流れのほとんどは、この資本市場の中を回っています。資本市場のしくみを知ることは、社会の中のお金の役割を理解することだけではなく、自分のお金を守るためにも、ぜひ押さえておきたいです。

ここではそんな「資本市場」を数回に分けて丁寧に、じっくり解説していくきます。

利子はいけないものですか?

利子は難しいニャー

私たちはお金を借りるとき必ず「利子」を取られます。お金を借りたら借りた分以上のお金を返さなければいけません。

皆さんも何かモノを借りたとき、ちょっとしたお菓子とか、なにかを添えて返すことはありませんか? あれと一緒です。
もちろん逆に、子供のころ友達にマンガを借りたまま返し忘れたことはありませんか? 貸したけど帰ってこないことは、大人になっても頻繁にあり得るので、安全料として利子を取るのは当然といえます。

カトリック教会では「利子」は19世紀になるまで認められていませんでした。それは聖書で禁止されていたからです。また今でもイスラム圏の一部では「利子」は禁止されています。
労働に対してお金をもらうことは批判されることは少ないですが、借金に対して得た「利子」という利益については批判されるのはなぜなのでしょうか? 

「利子」とは借金に対してつく価格とも言えます。
つまり利子は、商品についている価格と同じものです。利子が批判されるのは「聖書にそう書いてあるから」ということもありますが、一方で利子は「イメージしにくい」ということがあります。

商品は目で見て具体的な形があります、そして労働で得る賃金も実際の動きがあって得るものです。どちらも実感として理解しやすいものです。
けれど利子は具体的な形を持ちません。お金そのものが「信用」という、はっきりしない概念を持ち、利子は、その「お金の上につくお金」です。お金そのものより、さらに抽象的でつかみどころがありません。

利子は分かりづらいとは言っても、事業を始めたい人がだれでも十分にお金を持っているわけではありませんでした。利子をつけてもお金を貸して、やりたい事業を始めてもらう。そのことによって多くの人の暮らしが豊かになりました。
分かりずらい利子ですが、今でも社会で大切な役目を果たしています。

投資とは金融投資と物的投資がある

資本市場には「投資」という言葉もあります。

「投資」とは利益を見込んでお金を出すことですが、個人が株や債券を買うことが「投資」と言います。そしてまた企業が機械や工場を建てることもまた「投資」と言ったりします。両方ともお金を出して買う、という部分については一緒ですが、この2つには大きな違いがあります。

株などを買って利益を上げようとする「投資」は、最小のリスクで最大の利益を得ることを目的としています。ここで「投資をする人」は金融資本の「供給者」です。
また逆に工場などを建ててこれから利益を得ようとする人は、企業です。こちらは金融資本の「需要者」です。

投資家も企業も利益を得る、という目的は同じですが、資本市場では、投資家は供給者、企業は需要者です。お金を提供する方と、お金を求める側が異なっているのですが、同じ「投資」という言葉が使われているので分かりにくくなっています。

こうした混乱を避けるために、資本の供給を「金融資本」と呼び、企業が工場を買うことなどのことを「物的資本」とします。

資本市場の供給は家計・需要は借りたい人

資本市場も財市場や労働市場と同じように需要と供給があります。

資本市場の供給は、お金を貯蓄している人つまり「家計」です。企業も貯蓄していますが、企業は株主つまり「家計」が所有しているものなので企業の貯蓄も「家計」のものです。資本市場の供給とは、家計が供給する金融資本の量(人々の貯蓄)と、供給したことで受け取れる利益の関係です。

逆に資本市場の需要は、お金を借りたい人や企業を指します。資本市場の需要とは、お金を借りたい人の数とその返却するお金の関係です。返さなければいけないお金が少なければ、つまり金利が低ければちょっとお金を借りて大きな買い物でもしようか、ということになりやすいですし、同じように企業も金利が低ければ、ちょっと新しい工場でも建設して収入を増やそうか、ということになりやすいということです。

まとめ

資本市場の押さえておきたいワードを解説しました。「利子」「投資」「家計という供給者」「お金を借りたい企業」です。
資本市場の考え方は抽象的で分かりずらいものが多いですが、お金は、ほとんどが資本市場に流れています。お金は集まるとたくさん稼げるということもありますし、逆にたくさんないと儲けが出ないということもあって資本市場にお金は集まっています。

多くのお金が集まってくるとは言っても、資本市場も他の市場と同じです。たくさんの売り手と買い手がいて、特定の個人が影響を及ぼすことのできない場所になっています。

次回は資本市場の需要と供給をさらに詳しく見ていきましょう。

参考文献

ティモシー・テイラー 経済学入門
この世で一番おもしろいミクロ経済学 ヨラム・バウマン

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