あなたは好きなブランドをお持ちでしょうか?
好きなブランドの商品を身につけたり、使ったりするのはとても楽しいものです。
そのブランドを立ち上げた企業は、きっと一生懸命に皆さんに愛される商品をつくることで、ブランドとしての地位を確立させたはずです。
どんな企業でも自社ブランドを立ち上げて利益を上げていきたいと思っています。
けれど、皆さんに愛されなければ企業は続けていくことはできませんし、もちろん社会の規範から外れていることをしていては存続は難しいでしょう。
最近では「企業は社会的貢献を果たすべき」という意識が高まっていて、利益のみを重視する企業に対して批判的な意見が出てくることがあります。
良い企業が発展し、悪い企業が支持されないような社会になるためにはどうしたら良いのか考えます。
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企業と利益
企業は利益を出さないと存続できません。
しかし、利益を最大化するために社会貢献や環境への配慮を軽視したり、従業員を搾取したりするような行為が発覚すれば、それなりの罰を受けることになります。
けれど、企業が利益を出すことについて、良くないイメージを持つ方も多くいらっしゃいます。
なぜでしょうか?
それには次のような理由が考えられます。
利益に対するネガティブなイメージが生じる4つの理由
- 過度な利益追求
一部の企業が、利益を最大化するために社会貢献や環境への配慮を軽視したり、従業員を搾取したりするような行為が問題視されることがあります。 - 不平等な分配
利益が経営層や大株主に集中し、従業員や社会全体の利益に結びつかないケースがあるため、不公平感を抱く人がいるかもしれません。 - 消費者の視点
高額な利益は、製品やサービスの価格に転嫁され、消費者の負担が増えるという考え方も根強いでしょう。 - 社会貢献との関係
企業は利益追求だけでなく、社会貢献も担うべきという意識が高まる中で、利益のみを重視する企業に対して批判的な意見が出てくることがあります。
利益を出すことの重要性
けれど、企業が利益を出すことは、社会全体にとって非常に重要な役割があります。
- 雇用創出
企業が利益を出して成長することで、より多くの雇用を生み出すことができます。多くの雇用な私たちの生活をより豊かなものにしれくれます。 - 経済活性化
雇用で生まれた賃金が消費に回されれば、経済が活性化して国民生活の向上に貢献します。 - 技術革新
企業が得られた利益を投資に回すことで、新たな製品やサービスの開発、技術革新を促し、社会全体の進歩に繋がります。 - 社会貢献の基盤
企業が安定した利益を確保することは、その資金で社会貢献活動ができ、より積極的に社会に貢献することができます。
このように、企業が利益を出すことは企業にとって良いものだけではなく、社会に多くの貢献をしていると言えます。
また最近では、こうした企業の力を社会の問題解決にも使ってもらいたい、と考える人が多くなっています。
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利益と社会貢献の両立
社会の問題解決を企業が取り組むのは、企業の直接的な利益になるわけではありません。
けれど最近では、企業が自社の利益の追求だけではなく、社会にある問題解決、例えば環境問題や多様性の問題などを解決することが、現代社会においてますます重要視されるようになってきました。
つまり、企業は利益を追求するだけでなく、社会全体の持続可能な発展に貢献していくことが、企業の長期的な成長につながると考えられているのです。
なぜ両立が求められるのでしょうか?
なせ最近になって企業が社会の貢献をも果たしていくことが求められるようになったのでしょうか?
それにはいくつかの理由があります。
- 利害関係者の期待の変化
消費者、従業員、投資家など、企業を取り巻く利害関係者は、企業に対して単なる利益追求だけでなく、社会への貢献も求めるようになってきました。 - 社会課題の複雑化
環境問題、貧困、人権問題など、社会課題はますます複雑化しており、企業がこれらに対して何らかの形で貢献することが期待されています。 - 企業のブランドイメージ向上
社会貢献活動は、企業のブランドイメージ向上に繋がり、消費者の支持を得ることにつながります。 - 長期的な視点での経営
社会貢献活動は、企業の長期的な視点での経営に繋がります。社会との共存共栄を目指し、持続可能な社会の実現に貢献することで、企業自体の安定的な成長を図ることができます。
世の中に多くの製品やサービスが出回るようになると、人々はモノを買うときに、その企業がどのような社会貢献活動を行っているか、ということに対しても強い関心を持つようになってきたため、企業は利益だけではなく社会貢献も配慮するようになってきました。
企業側も社会問題を解決することで、周囲の人たちの共感を得れば、もっと活動がやりやすくなるというメリットがあるので、この方向は将来も続くでしょう。
もしも起業家がお金を稼ぐことだけをめざしていたら
そもそも、もし起業したいと思った人が、お金をたくさん稼ぐことだけを目標にしていたら、どうでしょうか?
きっと、お金だけを稼ぎたいという思いだけで起業した場合、経営が行き詰る可能性が非常に高くなるはずです。
なぜそう言えるのでしょうか?
その理由をいくつかあげてみましょう。
1. 長期的なモチベーションの維持が難しい
- 困難に直面した際の挫折
起業は順風満帆とは限りません。資金調達が難航したり、競合に打ち負かされたり、様々な困難に直面する可能性があります。お金だけが目的の場合、こうした困難に直面した際にモチベーションが低下し、諦めてしまう可能性が高いです。 - 新しいアイデアや改善への意欲の低下
お金さえ稼げれば良いという考えでは、常に新しいアイデアを生み出したり、サービスや製品を改善しようという意欲が薄れてしまいます。結果として、競争力を失い、衰退していく可能性があります。
2. 社会からの支持を得にくい
- 共感を得られない
お金儲けだけが目的の企業は、社会から共感を集めにくいです。
顧客や従業員、投資家など、様々なステークホルダーから信頼を得ることが難しく、事業の拡大が阻まれる可能性があります。 - 規制強化のリスク
社会的な責任を果たしていないとみなされ、政府や消費者から厳しい規制を受ける可能性があります。
3. 従業員のモチベーション低下
- 目的意識の共有が難しい
従業員は、単にお金を稼ぐためだけでなく、何か意義のあることをしたいという欲求を持っています。企業の目的が金銭的な成功のみの場合、従業員は自分の仕事にやりがいを感じにくくなり、モチベーションが低下する可能性があります。 - 優秀な人材の採用が困難
現代では、企業の理念やビジョンに共感し、社会貢献にも関心を持つ人材が求められています。お金だけが目的の企業は、優秀な人材の採用が難しく、結果として企業全体の競争力が低下する可能性があります。
このように、企業が存続していくためには、利益を出すことが大切ですが、それだけでは企業は長くは続きません。社会に貢献したい、世の中に良い影響を与えたいといった、より大きな目的意識を持つことで、企業は持続的な成長を遂げることができます。
つまり、一見企業が利益だけを追求しているように見えても、すくなくともなんらかの社会的意義があるから続けていられているのです。
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企業と社会の共存
このように企業と社会の関係は、単なる経済活動を超えて、より深く、多層的なものになっています。企業は、社会の資源を活用して利益を追求する一方で、社会に対して様々な影響を与えます。
そのため、企業は社会の一員として、その責任を果たすということは、非常に重要なテーマであり、現代社会においてますます注目を集めています。
企業と社会が共存していくためには、以下の3つの関係性が重要になってきます。
- 企業は社会の一員として・・・
- 社会の資源を活用して事業を行っていることを認識し、その責任を果たす。
- 社会の課題に対して積極的に関与し、解決に向けて貢献する。
- 地域社会との連携を深め、地域の発展に貢献する。
- 社会は企業を必要とする存在として・・・
- 企業は雇用創出や経済活性化など、社会にとって重要な役割を果たしていることを理解する。
- 企業の活動が社会に与える影響を認識し、適切な規制や支援を行う。
- 企業の社会的責任を果たすための取り組みを評価し、応援する。
- 相互依存の関係として・・・
- 企業は社会からの信頼を獲得し、持続的な成長を実現するために、社会との関係性を重視する。
- 社会は企業の成長を促し、より良い社会の実現を目指す。
具体的な関わり方
企業と社会が具体的なレベルでどのように関わっていくべきか、いくつかの例をあげてみましょう。
- 企業の取り組み
- 社会貢献活動:ボランティア活動、寄付、地域貢献など
- 環境問題への取り組み:CO2削減、リサイクル、省エネなど
- 多様性と包容性:人材の多様化、働き方改革、障がい者雇用など
- 透明性の高い経営:情報公開、ステークホルダーとの対話など
- 社会の取り組み
- 企業の社会的責任に関する法規制の整備
- 企業の社会的責任に関する評価制度の導入
- 社会投資の促進
- 企業と市民社会との連携強化
企業が社会と共存していくためのメリット
企業が社会と共存していくことは、企業にとっても社会にとっても多くのメリットがあります。
- 企業にとってのメリット
- ブランドイメージ向上
- 顧客からの信頼獲得
- 優秀な人材の確保
- 中長期的な成長
- 社会にとってのメリット
- より良い社会の実現
- 持続可能な開発
- 生活の質の向上
企業と社会は、お互いに依存し合いながら共存していく関係にあります。企業は社会の一員として、社会の課題解決に貢献し、社会は企業の成長を支援することで、より良い未来を築いていくことができます。
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まとめ
企業は利益を出すことで雇用や経済活動に貢献しています。
しかし、利益だけを考えて活動しているような場合は、問題になることもあります。
そもそも、企業はお金だけを稼ぎたいという思いだけでは、長期的な視点で見ると経営を存続することが難しいです。社会からの支持が得られず、従業員のモチベーションも低下するからです。
そのため、企業は社会に貢献したい、世の中をより良くしたいといった、より大きな目的意識を持つことが企業存続のために重要です。
最近、企業が利益の追求だけではなく、社会の問題を解決して社会に貢献することを求められています。
利益と社会貢献を両立させることは、現代社会において重要な課題であり、同時に大きなチャンスでもあります。企業は、自社の強みや特徴を活かしながら、様々な取り組みを通じて社会貢献を進めていくことが求められています。
企業が利益を出すことは、決して悪いことではありません。
しかし、利益追求のみに偏らず、社会全体の利益と調和のとれた成長を目指していくことが重要です。
参考文献
統計局ホームページ (stat.go.jp)
統計Today No.195 (stat.go.jp)
中小企業庁:白書・統計情報 (meti.go.jp)
経済学入門 ティモシー・テイラー