ぽれぽれ経済学

なぜ経済学を学ぶのですか?

どうして経済学を学ぶのですか

今後の生活に不安を感じる方は、少なくないと思います。
この先、社会がどのように変わっていくのか? 
自分はこの先どれだけお金が必要になるのか?
それが分かれば、もしかしたらもう少し良い計画を立てられそうだけど・・・。
今の仕事もこの先が読めなくて心配だ・・・
そう考える人が多くてもまったく不思議ではありません。

このようなときに役に立つのは「知識」です。
特に経済学の知識は役に立ちます。
なぜなら経済学は経済活動について考える学問だからです。

私たちの生活は経済活動に大きな影響を受けます。
知らないもの、見たこともないもの、分からないものに私たちは不安を感じます。
将来を見ることはできなくても、どのような構造になっているのか知っておけば、この先どうなっていくのかを考えるとき、必ず役に立ちます。

経済学は算数のように、決まっている答えを提示してくれる学問ではありません。
答えを導くための思考を鍛えてくれる学問です。

世の中にあふれる情報から、自分に必要な情報だけを選ぶことは簡単ではありません。

そこで経済学の知識が役に立ちます。
ぜひ「経済学」の知識を身につけて、自ら判断できるようになりましょう!

経済学はお金の学問ですか?

経済が経済活動について学ぶ学問である、ということは分かりますが、ここで一つ疑問がわきます。

経済学の知識は「経済活動」を理解する学問なら「経済学」とは、お金の学問なのでしょうか?

一言で言えば「はい、経済学はお金の学問です」と言えます。

経済学の最も基本的な概念である「需要」と「供給」は、どちらもお金と密接に関係しています。

「需要」は、消費者が何かを買う意欲と能力、
「供給」は、生産者が何かを売る意欲と能力を表しています。
そして、需要と供給のバランスがとれたところに「価格」(値段)が決まって、経済における物やサービスの取引が行われます。

そして、経済学は「お金の流れを分析する学問」でもあります。
消費者から生産者へのお金の流れ、
生産者から政府へ、
政府から消費者へなど、
さまざまな経路でお金は流れていきます。

経済学では、これらのお金の流れを分析することで、経済の構造や動きを理解しようとしています。

けれど、経済学はお金の学問だけ、ではありません。

経済学は確かに、「モノの値段」や「お金の流れ」を考えるお金の学問です。
でも、それだけではありません。
経済学ではさらに「人の行動」や「モノ、情報などの流れ」も分析する学問です。
例えば、企業の投資行動、技術革新、労働者の行動、などの現象も分析します。

このように、経済学はお金の流れだけでなく、経済におけるさまざまな現象を分析する学問です。

その流れの中で「お金」は、経済の基本的な要素として存在し、経済学の分析において重要な役割をはたしています。そのため、経済学は、お金の学問であるとも言えます。

マクロとミクロの経済学

経済学についてもう少し詳しく見ていきましょう。
経済学がお金の流れや人々の行動やそこに起きる現象について考える学問でしたが、その注目する場所によって「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」と分けて考えています。

ミクロ経済学:木を見て森を知る

ミクロ経済学は、個々の経済主体、つまり消費者や企業といった「木」に焦点を当てて、経済現象を分析します。

  • 特徴
    • 個別の行動
      消費者がなぜある商品を選ぶのか、企業がなぜその価格で商品を売るのかといった、個々の経済主体の行動を詳しく分析します。
    • 市場のメカニズム
      需要と供給の関係、価格決定、市場の効率性など、個々の市場におけるメカニズムを解明します。
    • 市場の構造
      異なる市場構造(例えば、完全競争、独占、寡占)における価格の形成や資源の配分のメカニズムを探求します。
    • 外部性と公共財
      経済活動が第三者に与える影響(外部性)や、非競合性かつ非排除性を持つ財(公共財)の供給について考察します。
    • ある商品の価格が上がったときに、消費者の購入量がどのように変化するか。
    • 企業が生産量を決定する際に、どのような要素を考慮するか。

マクロ経済学:森を見て木を知る

一方、マクロ経済学は、国全体や世界経済といった「森」全体を対象に、経済現象を分析する学問です。

  • 特徴
    • 経済全体の動き
      GDP(国内総生産)を利用して、その国の全体の経済状況を分析します。
    • 経済政策
      政府や中央銀行が実施する経済政策の効果を評価します。
    • 失業
      失業の原因とその影響について考察します。なぜ失業が発生するのか、どのような種類の失業があるのか、そして政府がどのように失業を減らすべきなのかを考えます。
    • インフレーション
      物価の全般的な上昇(インフレーション)やその逆の現象(デフレーション)について、その原因や影響、そしてこれらの現象を制御するための政策を分析します。
    • 経済成長
      長期的な経済成長の要因を探り、なぜ一部の国が他国よりも速く成長するのかを説明しようとします。技術革新、資本蓄積、労働力の変化などが考慮されます。
    • 金融政策と財政政策
      中央銀行が行う金融政策(例えば、金利の調整や通貨供給量の管理)や、政府が行う財政政策(例えば、税金や政府支出の調整)を通じて、経済全体に対する影響を分析します。
    • 国際経済学
      貿易、資本の移動、為替レート、国際収支など、国際的な経済関係が経済全体に与える影響を考察します。
    • 国全体の経済成長率が、なぜ変化するのか。
    • インフレが経済にどのような影響を与えるか。

お金は社会の隅々にまで流れているので、その視点を大きくとったり、小さくとったりして、人の行動や、モノの行き来をできるだけ正確に捉えようとしています。

マクロとミクロの両方の視点を持とう!

社会を深く理解するためには、ミクロ経済学とマクロ経済学の両方の視点を持つことが重要です。

  • ミクロ経済学の視点
    • 個人の経済行動や企業の経営戦略を理解することで、経済全体がどのように機能しているのかをより深く理解することができます。
    • マーケティング、経営戦略、政策立案など、様々な分野で役立ちます。
  • マクロ経済学の視点
    • 経済全体がどのような状況にあるのか、そしてその状況が私たちにどのような影響を与えるのかを理解することができます。
    • ニュースや経済政策を分析し、社会の変化を予測する上で役立ちます。

社会を理解するために

ミクロ経済学とマクロ経済学は、それぞれ異なる視点から経済現象を分析する学問です。
しかし、どちらか一方の視点だけでは、経済全体を正しく理解することはできません。

社会を深く理解するためには、ミクロ経済学とマクロ経済学の両方の視点を持つことが重要です。

例えば、ある国の経済成長が鈍化しているというニュースを見たときに、マクロ経済学の知識があれば、その原因を分析することができます。そして、ミクロ経済学の知識があれば、その状況が個々の企業や消費者にどのような影響を与えているのかを具体的に考えることができます。

ミクロ経済学は、私たちの日常生活にも身近な学問です。
例えば、私たちのお財布の中身、企業が新しい事業に取り組もうとするとき、モノの値段など、私たちの生活に直接影響する経済現象を理解するためには、ミクロ経済学の知識が役立ちます。

マクロ経済学は、政府の経済政策や景気対策など、国家レベルの経済政策を考える際に必要となる学問です。
例えば、なぜ景気が良くなったり、悪くなったりするのか? 失業率を低下、物価の安定など、国民生活を豊かにするためには、マクロ経済学の知識に基づいた経済政策をしなければいけません。

このように、ミクロ経済学とマクロ経済学の両方を学ぶことで、私たちはより複雑な社会現象を深く理解し、より良い社会を築くための知恵を得ることができます。

このように、ミクロ経済学とマクロ経済学は、経済学を理解する上で不可欠な2つの学問です。

このような経済学の特徴をつかんで「お金の流れ」や「流れたときに起きた現象」についての知識を深めて、日々の生活に生かしましょう。

まとめ

なぜ経済学を学ぶのか見てきました。
私たちの生活は経済活動があってこそ成り立っています。経済活動は私たちの生活になくてはならないものなのに、経済活動は思うようにいかないことが多く、不安を感じやすいです。

そのため経済活動について優秀な人たちが考え抜いた数々の理論を分かりやすく教えてくれる「経済学」の知識を身につけるのは、私たちの不安を解消するために役に立ちます。

経済学とは、経済活動を理解するための学問なので「お金」の学問とも呼べます。
また、経済学の範囲はお金が流れたときの人々の行動や現象についても考える学問でした。

お金にまつわるたくさんの情報に惑わされず、自分にとって一番の選択をするためには、経済学の知識を身につけることが有効です。
そうすれば、人々の動きとお金の流れをつかむことができるようになって、自分でおかしな話をおかしいと判断できるようになり、悪い人にだまされることもなくなります。

参考文献

ティモシー・テイラー 経済学入門

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